俺の父がコロナに院内感染した。

 

◆4月9日 心停止:

 9:40 K病院から電話が来て「今、心停止したので、すぐに来て死亡確認に立ち会って下さい」との事だった。

 

Nは今日はお仕事なので、俺一人で兵庫へ車で1時間移動した。

昨日はもし臨終に間に合わなかったらと多少スピードを出して高速道路をとばしたが、今日はもう臨終は過ぎているので、焦らずに走行した。

 

 

病院の4階で看護師さんと一緒に「防護服・手袋・フェイスシールド・マスク」を着用し入室。4階一般病棟担当の整形外科/S医師も来てくれて、3人で死亡確認を行った;

 

S医師: 11:15に死亡を確認しました。

K: 色々お世話になりました。(おじぎ)

   ところで、死亡診断書は2階コロナ病棟の内科/B医師が書いて頂けるのですか?

S医師: いいえ、私が書く事になりました。

K: えっ??

   そうですか。では宜しくお願いします。

 

 

看護師の厚意で5分間位父と二人だけの時間を作ってもらった。

瘦せこけた顔や肩をじっと見ていたら、久しぶりに涙がこぼれ落ちた。

「お疲れ様でした」

 

 

◆死亡診断書の直接死因が老衰??

 

その後S医師が戻って来て、死亡診断書を渡してくれた。

中身を確認すると、I欄の「直接死因」の項には「老衰」、II欄の「直接には死因に関係しないがI欄の傷病経過に影響を及ぼした傷病名等」の項には「COVIT-19感染症」と記述してあった;

 

K: えっ、「老衰」はおかしいのでは??

   それにこれではコロナとは無関係の死亡になり、兵庫県のコロナ死亡患者数にカウントされませんよね?

S医師: いやー、私は死亡診断書はあまり書かないのでー、、

 兵庫県のコロナ死亡患者数にカウントされないのかはよく分からないので、コロナ病棟内科/B医師に聞いてみて下さい。

K: そうですよね。整形外科で死亡する人は少ないですよね。

 とにかく、老衰ではなく、衰弱でお願いします。

S医師: 分かりました。すぐに衰弱と訂正します。

 

その後、S医師に「衰弱」と訂正してもらった死亡診断書をもって1階に下り、事務局O課長を訪ねた。死亡診断書の内容について確認する為に、B医師との打合せを設定してもらった。

30分ほど待って12時から会議室で打合せが始まった;

 

B医師:

1. 兵庫県からは(コロナ患者が急増しているので)コロナ病棟を開けるように要求されていて、xxxxxで、yyyyyでzzzzzだから、、、(話が長い)

2. 4月5日のPCR検査ではまだ陽性だったけど、別の検査では「感染させる力」はもう減少していた。

3. コロナ感染の判定としてはPCR検査陽性が最も精度が高く有効だ。しかし、実際に回復した後もPCR検査では一定期間陽性が続く事もあるので、コロナ治療完了の判定としてはPCR検査だけでは長引いてしまう。昨年はそれが分からなかったので退院が遅れた患者もいた、xxxxxで、yyyyyでzzzzzで、、、、(ここも話が長い)

4. なので、7日に2階コロナ病棟から4階一般病棟に移ってもらった時点で、コロナとしての治療は終わっていた。

5. 4階の一般病棟でも院内感染が発生しているので、念の為個室に入ってもらい、念の為4階通路から4階個室に入る時にはその都度防護服・手袋・フェイスシールド・マスク着用をしていた。(それは、逆やろー)

6. だから、その後も、発熱が継続し、8日に意識レベル低下、9日に心停止となったのは、コロナでは無く衰弱によるものです。

7. なので死亡診断書I欄の「直接死因」の項には「衰弱」と記述し、II欄の「直接には死因に関係しないがI欄の傷病経過に影響を及ぼした傷病名等」の項には「COVIT-19感染症」と記述した。

 

K:

8. いやいや、3月初旬に院内でクラスターが発生し、20日にコロナに感染したから、結果父は衰弱した。それが無ければ手術3週間後(3月17日)にはすでに退院して、特養で骨折のリハビリをしていたはず。

9. 百歩譲って、B医師の説明が正しいとすれば、

 死亡診断書I欄の「ア:直接死因」の項=「衰弱」、

「イ:アの原因」の項=「発熱」、

「ウ:イの原因」の項=「COVIT-19感染症」と記述するのが正しいのでは?

10. 8日11時に私はわざわざ事務局O課長に依頼し、「4階に移った後もコロナ治療が継続していて、保健所にそう申請する」事を再確認してもらった。

今日のB医師の説明ではO課長は「保健所に嘘の申請をした」事になる。この矛盾はどうするのですか?

 

事務局O課長:

11. 済みませんでした。8日は私が謝った理解をして、謝った説明をしてしまいました。

これから保健所への申請の内容は訂正させて頂きます。

 

K:

12. (8日に俺の依頼でO課長は院内で再確認して、1時間後に俺に回答した。つまり課長個人の理解ミスでは無いはず)

  ほー、このミスをO課長個人のものにすると、O課長さんも大変ですよね、、、(フェイント!)

13. 誤解の無いように言っておきますが、私はここのK病院の治療に関しては何も不満は無いし、皆さんの献身的な看護には大変感謝しています。(笑顔)

14. しかし、この死因の記述では全然納得できない。もし、どうしても訂正してもらえないのであれば、弁護士に依頼する事も考える必要がありますね。(大みえー)

 

O課長:

15. 本当に申し訳ありませんでした。(汗)

 

B医師:

16. 弁護士ー、、、余計な費用がかかりますよ。(汗)

 

K:

17. もしかして、あなた達は「衰弱→発熱→COVIT-19」(9行)と正しく書くと、何か不都合でもあるんですかー???(王手!)

 

B医師:

18. いーえ、何にも、全く、不都合はありません!!(冷や汗)

 

K:

19. そうですか、じゃあその(9行)ように正しく書けば、みんなが平和ですよねー。

  書いて頂けますよね。(詰んだ)

 

B医師:

20. 別にー、全然ー、いいですよー、、、(やけくそ笑い)

 

K:

21. ご理解、大変ありがとうございます。(ニコッ)

 

その10分後にO課長が書き直した死亡診断書を持って来てくれた。中身を確認すると、

I欄の「ア:直接死因」の項には「COVIT-19感染症」とだけ記述してあった。(驚)

 

K:

22. えっ、

(あれほど主張していたのに)衰弱と発熱は書かないのですか?

 

O課長:

23. はい、「色々書くと、逆に変に思われるので、シンプルに書くのが良い」との事でした。(苦笑い)

 

K:

24. (最初からそう言えよなー、、、1時間も無駄な時間をー、、、俺はこれから色々な手続きで忙しいのに)

 そうですか、理解しました。

色々お世話になり、どうもありがとうございました。

これからご紹介頂いた葬儀会社と打合せがありますので、ここで失礼します(おじき!)

 

 

◆関係者への通知処理:

この後、俺は駅ビルまで5分歩いて、14時に大戸屋で遅いランチに「味噌漬け四元豚の炭火焼き定食」を食べた。味噌が効いていて美味かった。

 

食後に;

・利害関係者(姉と弟)にグループLineで状況報告。

 姉からはすぐに確認がきたが、弟は相変わらず(すねたままで?)返事無し(中学生かー、、)

・葬儀会社Bに葬儀手順「直葬、本日16時以降に病院退棺、葬儀会社で1晩保管、市内の焼き場の予約代行、骨あげ立ち合いを希望、骨壺は月曜日に受け取り希望」の依頼。

・特養Hに父他界と来週月曜に事務処理と遺品受け取りに行くので、その後は速やかに「次に入所を待っているボケ老人さん」の受入れ準備を開始してあげて下さいと通知。

・霊園の家族の墓碑に父の名前を記述する手順の確認。

・父方親族代表のS叔母に父他界と「コロナの為告別式はできない」事を通知。

・生保会社に父の生命保険受け取り申請書類の提供を依頼。

・今日予約してあったあらい鍼灸接骨院に予約キャンセルのお詫び。

等に電話で連絡した。

 

 

◆差入れ:

15:45駅ビル1階の有名洋菓子店チェサピークで、人気の「いちじくのアマンドケーキ詰め合わせ(4000円弱)」を2つ買った。

 

16:10 病院に戻って4階一般病棟と2階コロナ病棟の看護師さん達にお礼を伝え、ケーキを差入れした。

エレベータに向かって廊下を進んでいると、後ろのナースセンターから声が聞こえてきた。

 

看護師B: きゃー!、ここの美味しいんだよー。

看護師C: うれぴー!

 

2月下旬から4階一般病棟もコロナのクラスター発生で日々大変な状況のはずだが、

若い看護師さん達は今日も元気だった。(笑)

 

毎日頑張ってくれて、ありがとうございます。(おじぎ)