3年前にインドで命の危機を感じた事を思い出した。

 

◆思い出したきっかけ:

2021年2月末、留学時代の若い友人W(日本人、男、30代前半、独身、大阪在住、不動産会社の御曹司)からLineで突然質問がきた。

 Wは毎年1,2回弟と二人で世界の都市を回っているそうだ;


W: 話かわりますが、インドよかったですか?

俺: インドは、行ってみて良かったと思いますよ。

 しかし、インドは長所が多いのですが、短所も多いので、嫌いな人もいると思います。

例でいうと;


長所:

 1.歴史的遺産がある

 2.宗教的遺産がある

 3.美しい自然・景色がある

 4.不思議な市民の生活がある

 5.驚きの生活をする市民がいる

短所:

 A.衛生状態がとても悪い場所がある

 B.交通事情がとても悪いものがある

 C.食事の選択肢が少ない所がある

 D.非道徳的な人が多い場所がある

 E.信用できない人が多い場所がある

等、ですかね(笑)

W: とくになにかに巻き込まれたりはなかったですか??

俺: 3週間バックパッカー(貧乏)旅行してたので、

何度も巻き込まれましたよ(笑)

1度は命の危機を感じた事もありましたね。

 

 

そんなやりとりをしていたら、2018年にインドでの出来事を思い出した。

 


◆1人旅に行った背景:

・1982年に俺は思うところがあって、大学を休学して1年間「欧州&北アフリカ&小アジア」を放浪した事がある。

その時欧州の美しすぎる街並みに半年で飽きた俺は混沌の地インドに行ってみたくなり、トルコのイスタンブールから出る「マジックバス」というオンボロ長距離バスに乗りインド経由で帰ろうとした。しかし、イランイラク戦争で国境が封鎖された為バスが無期限運休となり、インドへは行けなくなったので、代わりにトルコとエジプトを回って帰国した。

・その後卒業し、仕事や趣味のスキューバダイビングで50カ国以上の海外を旅する機会があったが、1ヶ月程度のまとまった休暇は取れず、もう一度インドに行く機会はなかった。

・2017年12月に京都のE社との業務受託契約が終わった時に、離婚して子供達も元嫁についてLAに行ってしまい誰に遠慮する必要もないバツイチおじさんになっていた俺は、36年ぶりに「そうだインドへ行こう!」と思い出した。

・旅行の条件は、36年前と同じで「一人旅、1日10 USD程度しか使えない、バックパッカー貧乏旅行」にした。その為、出発前に2ヶ月かけて筋トレを強化し、基礎体力を増強しておいた。

・俺の実家はキリスト教、俺自身は無神論者だが、ちょっとした手違いで長く京都の祇園エリアに住んでいたので、インドにあるという本家「祇園精舎」を見てみたくなった。

・当時彼女Nとつき合い始めて約1ヶ月しか経ってなかった。また、次の業務受託契約のK社社長とも「インドから生還できたら、2月から副社長として受託業務開始」という約束だったので、「旅行中に死んだ場合に周囲に迷惑をかける」事も想定して、しっかり「遺書」を書いて通帳・印鑑と一緒に祇園のマンションのコタツの上に置き、「マンションの部屋の鍵の開け方」を東京在住の姉に伝えてから、いつ死んでも問題ない状態で旅に出た(笑)

 

 

◆全行程

2018年1月1日に日本を出発し、

ニューデリー(インドの首都)に到着。

(踊るシバ神の像@国立博物館)

 

次に、シュラバスティ(祇園精舎のあった村)を見に行った。

(祇園精舎跡に集まり祈るチベット人の仏教徒達)

 

そして、バラナシ(ヒンドゥー教の聖地。ガンジス川のほとりで死体を焼く場所)で滞在。

 

そして、ブッダガヤ(ブッダが菩提樹の下で悟りを開いた場所) を見に行った。

(ダライラマ到着を祝うインドでは少数派のチベット人仏教徒達)

 

そして、コルカタ(悪名高き英国の東インド会社が本拠地とした大都市) で滞在。

 

そして、エローラ(仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教の3宗教の洞窟寺院が残る丘) を見に行った。

 

最後は、ムンバイ(インド最大の都市。世界最大の映画製作基地ボリウッドがある)で滞在。

1月23日に無事帰国した。

 

 

◆空港からの移動:

1月15日 エローラから国内線で19:30 ムンバイ空港に到着。

事前のネット調査では「空港から市内への流しのタクシーは値段をごまかす雲助タクシーが多く危険。エアポートタクシーのMERUタクシーは英語も通じて安心」との事なので、空港でMERUタクシーのカウンターに行き、予約した。

 

カウンターで10分程度待たされて、20:15に指定されたMERUタクシーに乗り込むと中年男性の運転手は英語が満足に話せないようだった。行く先の「Modern Hindu Hotel」の住所を英語で伝えると、運転手は市内の道路を詳しく知らないようで、若干おどおどしているように感じられた。

不審に思い、運転席の前に掲示されている「ドライバーライセンスの写真」をみると痩せた若者の顔で、小太りの中年運転手とは全然似ていなかった。

別人がアルバイトで運転かー??中国では日常茶飯事だったけど、インドもかー。(苦笑)

 

何か問題が起こりそうなので、念の為車内でGoogle Mapを起動し、タクシーが最短距離でホテルに向かっているかを定期的にチェックしておく事にする。(やれやれだぜ)

 

空港を出て渋滞の道を20分位走行すると、運転手がホテルのある南方向ではなく西方向に向かい始めた;


俺: おいおい、この方向はホテルに行く方向と違うだろ。

運転手: 市内まんなかの道、混雑。海沿いのみちOK。(ニコニコ)

俺: (ほんとかよ。眉唾だなー。でもこのおっさんとの英語での議論はめんどくさいからなー)

 了解、じゃあそれでいいよ。

運転手: はい、じゃあ、海沿いの道、OK。(ニヤニヤ)

 

結局海沿いの道も渋滞で、その後も渋滞の中を進み、約60分後にホテルの前に到着。

結局、想定の2倍の時間がかかっとるやんけー、、、(イラっ)

 

俺: 料金はいくら?

運転手: へい、だんな。海沿いの有料道路代を含め2000ルピー(約3000円)です。

俺: おいおい、渋滞の西側に遠回りしておいて、結局通常料金650ルピーの3倍かよ。ふざけるなよー!(キレそう)

 手加減して1000ルピー(約1500円)なら払ってやるよ。(怒)

 

日本の物価に比べると、3000円も1500円も目くじらを立てる程では無いのだが、安易に受け入れると「日本人は騙し易い」と思われ、他の日本人旅行者にも迷惑をかける事になる。

だから、俺は海外旅行先では多少面倒でも「現地の適正価格」に訂正させて支払う事にしている。

 

運転手: それ、ダメですだんな。私会社、怒られます。(もみ手、スリスリ)

俺: NO―、俺が払えるのは1000ルピー迄だ。

それが嫌なら帰って会社と相談し、明日の朝出直して来い。

運転手: だんな、私こまる。お金払って。(もみ手、スリスリ)

俺: ふざけるな―!(大声)

明日の朝来い。(もうキレそう)

 

こんな感じで10分以上運転手とすったもんだして、疲れてイライラが頂点に来ていた俺はブチ切れで運転手を殴りつけてしまう前に、タクシーから降りた。

背後でギャーギャー騒ぐ運転手を無視して、ホテルのボロボロの階段を登っていった。

 

 

◆超級ボロホテル:

このModern Hindu Hotelはモダンという名前とは真逆で、築80年以上の超老朽アパートをまともに修理せずそのまま使っている超格安ホテルで、1泊400円以下。

並みのインド人ですら絶対泊まらないような超級の安宿だった。

 

インド1人旅の最期の都市で、36年前の俺だったら選んでいたかもしれない「最もハードな」超安ホテルを選んでみた(笑)

 

70才位に見えるフロントのインド人の老人に日本のパスポートを提示すると、彼は見た事が無いようで、困っていた。

 

案内された部屋は、一応個室だったが、エアコン無しで木製のシェードは固定式なので窓は密閉できず。裏庭から蚊の大群が侵入していた。(恐怖)

ベッドのシーツは灰色でおよそ1ヶ月間は洗っていない風。ノミやダニが手ぐすね引いて待ち構えているのが明白だった。(更に恐怖)

 

共同のトイレは薄暗く、隣のシャワーでぬるいお湯は出るようだ。

廊下に宿泊者らしい痩せたインド人の若者がいたので、素性を聞いてみると

「田舎から出稼ぎに来ていて、ここのドミトリー部屋にある2段ベッドに寝泊まりしている」との事だ。

うーん、ここに予定通り3泊すると、確実にマラリヤかそれ級の病気にかかるかも、、、(苦笑)

 

寝る前に部屋に戻りミネラルウォーターが無い事に気づく。

水道の水を飲むのは自殺行為だし、フロントの老人はもう見当たらないので、仕方なしに外に水を買いに行く事にした。

 

 

◆最大の危機:

22時にホテルの階段を下りて路地から小道に出ると、外灯も消えて薄暗い道にMERUタクシーが止まっていた。

まさかと思い運転席をのぞき込むとあの小太りの運転手が居た;


俺: まじかっ。お前ここで何してるの?

運転手: だんな、お金はらう無い、私会社怒られるー、、

俺: まだそんな事言ってるのか?俺は疲れたよ。(やれやれだぜ)

  明日の朝来い。

運転手: 私こまる。

 @@@#$%&”!**

 

運転手が現地の言葉で大声で騒ぎだした。

周囲でゴミ収集作業をしていたらしい男達が、運転手の叫び声を聞いてこっちに集まって来た。

気づくと薄暗い小道で6, 7人の黒いボロ服の男達に囲まれてしまったようだ。

運転手は調子に乗ってどんどん叫び続けている。全く意味が分からないが多分俺の悪口をまくしたてているのだろう。

ざわつく黒い男達もなんだか俺に対して敵意を持ち始めたようだ。

おー、なんか、ヤバイ状況になってきたな。このまま後ろから刺されても全然おかしくないやんけー(冷汗)

 

何10秒間かの沈黙が続いたその時、黒い男達の輪が途切れて少し小さい人影が俺に近づいて来た。

その人影が1m位迄近づいて遠くの外灯に照らされた顔の右半分が見えて分かったのは「インド人、20代、整った顔つきの美女」だった。服装はフォーマルでは無いがみすぼらしさは感じさせないものだった;

 

美女: 旅行者ですか?英語は分かりますか?

一体何があったのですか?

俺: あなたは英語が分かるのですね、それは助かった。

私は日本から来た旅行者です。先ほど空港からここに来る途中でタクシー運転手と料金の事で口論になり、今ここで言葉の通じない男達に取り囲まれてしまい、とても困っています。

美女: なるほど、そういう事ですか。分かりました。

 それで、あなたはタクシー料金をいくら払う意思がありますか?

俺: 運転手が要求している額は通常の3倍なので、その額は払うつもりはありませんが、

要求額の半分、つまり通常金額の1.5倍であれば今すぐ払う意思はあります。

美女: 分かりました。

 

そして、美女は運転手や周囲の黒い男達に現地語で説明を始めた。

現地の言葉は全く分からないが、黒い男達は美女の説明になんだか納得しているようで、運転手だけが渋っていた。

やがて、美女と黒い男達になだめすかされ、運転手も渋々同意したように見えた。

 

美女: お待たせしました。

運転手さんもあなたの提案に同意してくれましたので、今1000ルピーを支払う事ができますか?

俺: ありがとうございます。すぐに支払いこの問題を終わらせましょう。

まずいっ。高額紙幣しかないので、お釣りが必要です。

美女: そうですか運転手さんに確認しますね。

    #$%&@@*!!

運転手さんは今お釣りは無いそうです。困りましたね。

ちょっと待って下さい。

 ++**)&%#”!

 

美女が今度は黒い男達と何か話している。

美女: こちらの男性がお金をくずせるそうです。

俺: (まじかっ。いかにもお金を持ってなさそうな粗末な服装やけど、人は見かけによらないなー)

 ありがとうございます。では運転手に紙幣で渡します。

運転手: OK。

 

運転手が俺の紙幣を受け取り、黒い男の一人に渡すと、黒い男は無言で紙幣をくずしてくれたようだ。

そして運転手は男から受け取ったお金から約束の1000ルピーを抜き取り、残りを俺に返してきた。

 

俺: OKこれで問題は終わりだ。

運転手君は早く会社に戻って報告した方がいいぞ。(やれやれだぜ)

 

そして、薄暗い小道で黒い男達はごみ収集作業に戻って行った。

 

俺: お嬢さん、本当にありがとうございます。(やばかったー)

何かお礼をさせて下さい。

美女: お礼なんていりませんよ。(微笑)

 ところで、あなたはこれからどこに行きたいの?

俺: そうそう、俺はミネラルウォーターを買いに行きたいのだけど、どこに売っているのか教えてもらえますか?

美女: そうですか。では私もその方向に行くので途中まで一緒に行きましょう。

俺: ありがとう。

 

俺:    ところで君はここで何をしているのですか?

美女: 私はこの近くのホテルに勤務していて、今仕事が終わり家に帰る途中でした。

人込みができて「外国人が悪い事をした、、、」とか騒いでいたので、危険にならないように止めに入ったんですよ。(うふっ)

俺: そうでしたか。こんな薄暗い小道でよくも丁度いいタイミングで通りかかってくれましたね。

本当に助かりましたよ。

 

美女: 着きましたよ。ここの屋台で水のPETボトルが買えますよ。

俺: なるほど。おじさん、お水を2本ください。

 そうだ。あなたに何か果物をプレゼントしますよ。何がいいですか?

美女: いいえ、何もいりませんよ。(微笑)

俺: そうか、困ったな。じゃあ明日食事をご馳走させて下さい。

美女: 本当に、気にしないで下さい。(うふっ)

 でも、あなたが宿泊しているモダン ヒンドゥー ホテルは衛生状態等が良く無くて、外国人旅行者向けではないので、もう少し安全なホテルに泊まった方がいいですよ。(微笑)

俺: そうですよね。

じゃあ、君の勤務しているホテルを教えて下さい。

美女: 私が勤務しているホテルはグリーンXXXホテルです。

俺: OK、では明日そのホテルに移る事にします。

今日は本当にありがとうございました。

美女: インドの旅を楽しんで下さいね。

では、おやすみなさい。(微笑)

 

振り返って微笑んだ際に車のヘッドライトに照らされた美女の顔の左半部にはやけどのような大きなアザが見えた。

もしかして、これを気にして美女はずっと俺の左側に立って整った顔の右半分だけを見せていたのかも、、、

 

 

俺はその後PETボトルの水を2本持って一人で超ボロホテルに戻った。

そしてマラリヤ対策で体中に虫よけスプレーをかけ、灰色に変色したベッドシーツの上にもスプレーして、その上に日本から持ってきた簡易寝袋を敷き、中に入った。

蒸し暑い部屋だが、今日は色々疲れたのですぐに爆睡できた。

 

 

◆不思議な結末:

朝起きて、朝食に買い置きのバナナを食べながら、今日宿泊する「グリーンXXXホテル」をネットで検索してみたが、何故かヒットしない。ネットには乗らない小さなローカルホテルなのかも知れない。

 

早目に荷物をまとめて超ボロホテルをチェックアウトし、街の中心部へゆっくり歩いて行く。

明るい時間に見れば、意外にも超ボロホテルの建物の周囲は白壁の「歴史的保存建造物」の集まる地域のようだった。

道の反対側には市政府のオフィス街もあるようで、地元のホワイトカラー達が朝の通勤をしていた。

 

 

暫く街並みを見学しながら歩いて、バックパッカー向きのインド定食屋に入り早いランチで羊カレーセットを注文する。

 

店主は陽気なインド人のようなので聞いてみる;


俺: おやじさん、この辺に「グリーンXXXホテル」という名前のホテルがあると聞いたんだけど、場所はどこかを教えてくれよ。

店主: グリーンXXXホテル?

 あー、そんな名前のホテルがこの先にあったな。だけど、去年潰れたよ。

俺: えーっ、、、

    なんじゃそりゃー、、、(驚)

 

昨夜のアザのある美女は一体何だったのかー、、、(冷汗)

最近、鶴や亀を助けた記憶は無いけどなー。

そう言えば、聖地バラナシの安宿で窓際に遊びに来た猿にフルーツをあげたかも、、、(苦笑)

 

結局、謎のインド人美女に救われたー??

 

 

◆別のムンバイ:

色々考えてみたが、結局分からない。

気が変わり、インド最後の街では話のタネに老舗の5星「Taj-Presidentホテル」に泊まる事にした。

 

チェックインの前にロビーでくつろぎながら、小1時間行き交う人達をぼんやり眺めてみた。

いかにもインド風のターバンを巻いたビジネスマン、イスラム風の黒い服を着た女性達、アラブのドラ息子風のサンダルばきの青年、等色々な人が高級ホテルにいた。

 

 

翌日ホテルの近くに、目つきの鋭い黒服の西洋人の男達が何故か道路を封鎖し警備していた。近くに言ってみたら、「写真は撮るな」と言わた。

道路沿いの薬屋の爺さんに聞いてみたら「イスラエルのネタニヤフ首相が来ている」そうだ。インドの何を狙って来てるんやろなー??

 

 

チェックアウトの日、フロントでやけに見栄えのいい支配人に会えたので挨拶し、雑談してみた。

俺: おはようございます。私は日本から来ました。

ここはとても良いホテルですね。

支配人: ありがとうございます。(薄笑い)

インドの旅は楽しまれましたか。

俺: 不思議な所ですね、ここは。

 あなたはムンバイの人ですか?

支配人: いいえ、私はコルカタから来ました。

俺: なるほど。英国人が作った古い街ですね。

支配人: そうですね。(薄笑い)

俺: 私は英国の植民地だった上海に住んだ事がありますが、コルカタの街は上海の旧市街に似ていました。

支配人: そうですか。残念ながら私は中国には行った事はありません。(苦笑い)


俺: ところで、1つ質問していいですか?

支配人: 私でお答えできることでしたら。

俺: ヒンドゥー教や仏教における「輪廻転生」についてどう思いますか?

支配人: うっ、、、(そこかっ)

 私は宗教に熱心ではない人生を送ってきましたから、余りその方面は詳しくはありませんが、、、

それを強く信じる人にとっては、重要な事なのではないでしょうか(照れ笑い)

俺: なるほど、そうなんですね。

 色々勉強になりました、ありがとう。

私はこれからタイ経由で日本に帰ります。

支配人: よいご旅行を。

 

貧乏旅行で出会う現地人は「こそ泥」気質ばかりかと誤解していたが、インド人にもこんなに自然体でスマートな奴がいるんだ。

インド恐るべし!!

 


ムンバイ市内から国際空港まで、悪名高き「超混雑通勤電車」に乗ってみる事にした。


17時以降になると、通勤帰りの男達が狭い車両に怒涛のごとく突っ込んでくる。

1985年に俺が東京に就職し、通勤で乗った「日本一混雑するJR山手線新宿駅」の事を思い出した。(笑)

体力的に絶対無理のようで、インド人女性はこの時間帯には乗らないようだ。

 

下りる時にはその突っ込んでくる男達を押しのける必要があり、更に筋力が必要だよな、と心配していたら、

電車内出口付近に立っていた現地の若者にコツを教えてもらい「電車がホームに完全に止まる2秒前にホームへ飛び降りる」事を学んだ。

おかげさまで、バックパックを担いだままでも俺は怪我せずに降車できた。(苦笑)

1989年に出張先の上海で乗った市営バスで、乗車してくる客達に押し戻され降りれずに次のバス停から歩いて戻った事を思い出した(苦笑)

 

 

ムンバイ、不思議な街やったなー。