1月17日~19日に鳥取&島根へドライブ旅行に行った。

 

◆18日(月)、雪のち吹雪、0~5℃。

 第2日目

 

16時に玉造温泉「玉井別館」に無事到着。

かなり吹雪が強くなってきたので、車のワイパーは上げておく。

フロントで聞いたら、全40室中6組しか宿泊していないようだ。

先ずは日本最古の湯の一つで枕草子にも美肌湯として紹介された玉造温泉に入ってみる。男湯は俺以外に2人だけ。

吹雪の露天風呂はなかなか印象的だった。

 

温泉を堪能し脱衣所に来た時、想定外のトラブル発生!!

 

俺より一足先に出た中年男性が全裸でロッカーの前で佇んでいるのが見えた。

俺がロッカーに近づいて行くと、彼は一瞬前かがみになり、その後顔を反らし後ろにゆっくりと倒れていき、ドンと音を立ててあおむけに床に崩れ落ちた;

 

俺: (おおー、これはちょっとやばい事に巻き込まれたかも)

 大丈夫ですかー?聞こえますかー?

男性A: (目は閉じたまま)うー、、、

俺: (少し大きな声で)聞こえますかー。

男性A: 、、、

 (ゆっくり目を開けて、うなずくが、言葉はでない)

俺: (幸い泡は吹いてないな)

(指を1本立てて)これは何本か分かりますか?

男性A: はい、1本です。

 大丈夫です。(起き上がろうとする)

俺: 無理に動かないで、少しじっとしていて下さい。

(通常なら、ここで俺の手を握らせてみて力が入っているかを見るのかもしれないが、コロナ禍の中でお互い全裸でそれはしたくなかったかも、、)

(脱衣ロッカーに置かれた手ぬぐいが目に付いた)この手ぬぐいはあなたのものですか?

男性A: はい。(ゆっくり起き上がろうとしている)

俺: (洗面台で手ぬぐいを水で冷やす)

これを首筋に当ててみて下さい。

男性A: ありがとうございます。(また立ち上がろうとする)

俺: 無理に立たないで!

 何か持病や心当たりはありますか?

男性A: 持病はありません。湯あたりしたみたいです。

今までこんな事はなかったのに、不甲斐ないなー、、

俺: そうですか。それはよかった。

 5分位じっとしてから、楽になったら立ち上がって下さい。

男性A: ありがとうございます。うー、、

俺: (心配なので近くに腰を下ろして、しばらくAを見守る事にする)

 地元の方ですか?

男性A: いいえ、名古屋から来ました。

俺: ご家族の方は?

男性A: 今回は一人です。

 家内は子供の授業があるとかで、家に残りました。

俺: そうですか。受験生とかがいたらこの時期は大変ですよね。

男性A: いいえ、息子は2人とも大学生です。

 家内が同意してくれたので一人で来ました。

俺: なるほど。

 うちの元嫁もそうでしたが、過保護な母親は息子を自分の理想の男性に育てようとしますからね、、、(苦笑)

 

その後、座り込んだままの男性Aが立ち上がれるようになるまで、Aの身の上話を聞いていた。

5分後位にAは1回立ち上がろうとしたが、ふらついてまた尻もちをついたので、更に5分位雑談を続けた後、ようやくAが立ち上がれるようになった。

 

男性A: 今迄こんな事は無かったんですよ。今日は温泉に入る前に缶ビールを1本飲んだだけなのに。

俺: そうですか。雪見酒も良かったかもしれませんね(笑)

男性A: もう大丈夫です。ありがとうございました。

俺: そうですか。それはよかった。

じゃあ私はもう一度湯につかってきます。失礼。

 

2回目の湯から上がって部屋に戻ると65分経っていて、Nはもう部屋でくつろいでいた;


俺: おや、意外と早かったな。

N: だって、お風呂は1時間と言ったでしょ。(どやぁ)

    Kさんはいつもより長かったのね?

俺: 脱衣場で想定外のトラブルがあって、予定より遅くなったんだよ。

(Nに経緯を説明する)

N: えー、それ大丈夫?旅館の人に説明した??

俺: いや、特に言ってないでー。

N: 明日の朝、その人が部屋で泡吹いて一人で死んでたらどうするのー?

俺: いやいや、そこまでは俺もかまっていられないぜ、、(汗)

(心配になって来たから、朝に彼が生きてるかチェックしておこう)

 

夕食は1階の食堂で日本海の魚介と会席料理。なかなか美味かった。

コロナの時期なので1部屋ずつ個室での食事は安心だ。

NGの食材を予め指定しておいたので、俺の苦手な大根やおろしを取り出す手間が省けた。(笑)

 

Nの希望で、食後に旅館内を散策。売店でNが「しまねっこ」のストラップを見つけた。Nは動物の小物やゆるキャラが大好きだ。特にネコ;

N: Kさんここにもしまねっこが売ってるよ。可愛いー(うふっ)

俺: おおー、出雲大社をかぶった猫でしまねっこかー。まんまやんけー。(笑)

N: 首の所にしめ縄が3つあるから、大社の大しめ縄と同じだよね。

俺: なるほど。

N: 2つペア―で660円は安いよ。二人で買おうよ。大きい方が私ね。(うふっ)

俺: なんでやねん。(汗)

N: Kさんありがとー。(きゃぴっ)

 

 

◆19日(火)吹雪のち晴、-1~4℃。

 第3日目、最終日。

 

朝起きたらまだ吹雪いていた。

朝風呂に行き脱衣していると昨夜の男性Aが出ていくのがチラッと見えた。

(部屋で死んで無いようだ、一安心!笑)

朝風呂の後に朝食。1階個室での和朝食は美味いし、満腹した。

 

俺: 今日Nは仕事のシフトだよな。これ以上雪が降ったら、15時半京都市内着に間に合わないかも。

N: えー、ここから京都市内迄何時間かかるの?

俺: 雪が無い通常の高速度道路だったら直行4時間で、途中休憩&ランチを入れると5時間だから、10時半に出れば間に合う。

雪が積もると直行5時間。途中休憩&ランチで6時間位かな。9時半迄に出発しないと間に合わない。

N: えー、今日仕事を休みたいけど、まだ有給使えないから、、、(涙)

俺: Nだけ列車で帰れば、確実に15時迄に京都市内に到着できるでー。

N: そうなんだ。(不安)

 Kさんはどうするの?

俺: 俺は無理して今日中に京都市内に戻る必要は無いから、昼迄温泉でゆっくりして、雪が十分溶けた後にゆっくり車で帰る。

もし途中で雪が止まなかったら、岡山県辺りの温泉でもう一泊してもいいし。(どやぁ)

N: いやっ。危険な雪道をKさん一人で帰らせるのは心配だし。

今夜一人で温泉に宿泊させるのはもっと心配やー(怒)

俺: なんでやねん!

N: じゃあ、一緒に帰ろ。(うるうる)

俺: いいけど、9:30には出発するでー。

 

早めに荷作りして、9時半玉造温泉を出発。

吹雪のなか寒いのにフロントの男性は外で見送ってくれた。幸い路面は凍結していないようだが、道の脇には雪がしっかり積もっていたので、昨日と同じように信号機で停車する必要のない山陰自動車道路でゆっくり走る事にする。

 

気づかないうちに路面が軽くスリップしているのか、途中でダッシュボードに4つの黄色いアラームランプ(タイヤアラーム、ABSアラーム、トルクアラーム、エンジンアラーム)が点灯した。

Nに言うと過度に怖がるのでとりあえず黙っておこう。(汗)

 

朝食後で満腹状態なので、眠気を覚ますためにレッドブルを一口飲んでおく。

対向車線に大型トラックがすれ違うたびに、フロントガラスにバシャーと水しぶきがかかり視界0になる。

こんな雪道での走行が怖いのか、だんだんNの口数が少なくなってきた。

 

吹雪の中をノーマルタイヤのままおそるおそる走行し、約2時間が経過;


俺: 2時間か。トイレ休憩したいし、そろそろ腹が減ったし、次のサービスエリアでランチしようか?

N: いいけど、SAの看板は青色で、自動車道路を降りてから何100mと書いてあるよ。

俺:  自動車道路を降りるのは面倒やな。あっ、次のPAの看板は緑色になってるから下りなくていいんや。

N: そうだといいね。

俺: とにかく行ってみよう。

ひえー、鳥取県用瀬町のPAはあったけど、トイレだけしかない。

N: 私はトイレいいから、Kさんだけ行ってきて。

俺: じゃあ、行ってくる。

 

PAには結構な雪が残っていた。この積雪状態はサマ―タイヤの限界かも(冷汗)

かと言って、この雪の中でタイヤチェーン取り付けるのは嫌だし、、

かなり雪の積もった歩道をこけないように慎重に進み、とりあえずトイレにいく;

 

俺: うー、寒い。下痢したでー。

N: ??朝食に何かやばいのあったの?

俺: いや、レッドブルだと思う。

N: Kさんは普段カフェイン摂らないから、たまに飲むと反応が強いのかもね。(笑)

 あっ、また飲んでるー

俺: 眠気覚ましやでー。(どやっ)

 

 

このあと約30分走行し峠を2つ3つ越えたら、突然雪が無くなった。

俺: 腹減ったー。

N: 次のSAの看板にナイフとフォークの絵があるよ。

俺: よし、そこでランチやー。

 

13:30 雪の無い兵庫県加西SAで遅いランチ。

 

N: フードコートとレストランがあるみたいだよ。どっちにする?

俺: やっぱり、この地域の特産が食いたいな。

N: じゃあ、レストラン「官兵衛」だね。

俺: OK。俺はこの特産和牛の焼肉重定食かな。

N: じゃあ、私は特産卵のかつ丼定食にする。

 

満腹後15分位土産物屋を冷やかして、14時にSAを出発;


N: 何時頃うちに到着できるの?

俺: 積雪さえなければ、こっちのもんやで。飛ばせば15時前に到着かな。

N: スピード出し過ぎないでゆっくりいけば何時?

俺: 制限速度+10k位で走れば、15時半頃かな。

N: じゃあ、ゆっくり走って15時半にS病院に直行でお願いします。(きっぱり)

俺: はいはい

(ちぇ、せっかく雪が無くなったのにスピード制限かよ、、、)

 


晴天のなか快調に走行、15:35にS病院前に到着。Nはそのままお仕事へ。

俺は車体に白くこびりついた融雪剤を洗い落とす為に、「JAVA洗車」へ行き高圧水で洗車。

 

その後帰宅して旅行用の荷物を車から下ろして、休憩。

 

今回の旅行は大雪で色々予定が狂ってしまったな。

しかし、雪国で過ごした大学生活の頃から36年ぶりの雪道ドライブは十分刺激的だった。(笑)