今年の1月に25年ぶりにスキューバダイビングで遭難した。

 

◆年末旅行

場所はタイのラン島。同行者は留学生時代の友人U(日本人、男、28才、中国語堪能、映画の助監督、独身、ひげ面でアラブ人風)。

(Nは正月帰省で実家へ戻った)

 

 

元旦と2日はパタヤの繁華街のバーで大酒を飲んだ。

 

 

◆新年スキューバダイビング

3日は1.5年ぶりのスキューバダイビング。

Uはライセンスを持っていないが体験ダイビングコールで参加。俺はダイバー暦30年のベテラン。

朝8:15にホテルにダイビングショップのピックアップトラックが来てショップ迄15分。

ショップのおばちゃんから紹介されたインストラクターのマックスは、白人、40代後半、顔は厳つくロシヤ風、性格は意外と温厚、英語はロシヤ訛り風のアクセント無し??と謎だらけ。

 

1st Diveは、

パタヤ沖のラン島から更に沖へ行ったPai島。

初めに1軍(ライセンス有りのダイバー達12人、フランス人男性x10人+ 中国人男性x2人)が2班に別れて潜る。

1軍が戻った後に2軍7人(初心者達。南米系カップルx2人+中国人女性x1人+中国人男性x3人+U)+俺の計8人が4班に別れて潜る。

ここも周りは中国人だらけ!

 

ダイビング開始前の注意事項で、マックスから説明を受ける;

U: 英語の説明より、隣の班の中国語の説明の方が理解できますよ。

俺: そうか、じゃあ中国人の班に混ぜてもらえば(笑)

U: 嫌です!中国人と間違われるし!

俺: イヤイヤ、既にタイ人と間違われてますでー(笑)

 

1本目のダイビングが無事終わった。

俺: 初体験の感想は?

U: 疲れました!

俺: 写真は何枚撮った?

U: 0です。

 命を守る事に必死で、写真まで余裕がなくてー。折角昨日iPhon用水中ケースを買ったのに、、(涙)

まだ早すぎたと言う事ですかね、、

俺: まあ、人生なんてそんなものですよ(笑)

U: 疲れたので、次のダイビング迄ちょっと寝ます。(爆睡)

俺: まるでトドが昼寝してるみたいやなー。(笑)

 

マックスがやって来て、次のダイビングのポイントを説明してくれた;

マ: 次は流れが早い場所なので帰りは自分では船に戻らず、船が我々を拾いに来てくれる。

俺: 了解。

マ: ここのポイントにはいつも亀が4匹来ていて、昨日も3匹見た。とても美しい生き物だ!(瞳ウルウル)

俺: なるほど。(汗)

 ところで、1つ質問がある。あんたはどこから来てるの?

マ: スエーデンから来た。タイで働き始めて1.5年経つ。

俺: ひえーっ、スエーデン!!

 あんな寒い所でスキューバダイビングできるんや?

マ: 冬は気温は-20℃だが、水温は4℃ある。

 但し、陸上で(Airを吸う)レギュレーターを加えると凍結して唇に引っ付くから、水中に入ってからくわえる。

俺: ひえー、そんな所に潜って何が楽しいんでっか、だんなー?

マ: アイスダイビングをする時だ!

 氷の下で逆立ちして、氷の下側をウォーキング出来る!(瞳ウルウル)

俺 そ、それは、グレートやなー、、

マ: 所で、彼(U)は次のダイビングは参加するのだろうか?

俺: 大丈夫だろ。(小太りで)体力余ってるみたいだし。

マ: 彼は初心としては悪くない。耳や鼻に異常は無いし、落ち着いていてパニックになって無いし。

 次は彼から手を離して少し自分で進ませてみようと思う。

俺: いいんじゃねー。

そんな会話が終わり、Uを叩き起こして2本目のダイビング開始。

 

 

◆遭難

2本目の後半、水中でマックスから手を離されたUは、グングンとでたらめに好きな方向に進んで行く。周りから他の班が消えて行く。

マックスが途中数回水面迄上がり、方角を確認しだした。

40分後水面に浮上、周囲に他の班や船の姿は無かった。

マックスがUのBC(浮力ジャケット)にエアーを入れて、水面に待機の準備を始めたのを横目で見ながら、

俺もBCに充填し、クラゲポーズで休憩。

 

<5分経過>

マックスが救助用の赤い縦長風船をふくらます;

U: カメいませんでしたよねー。

俺: そだねー(そこかっ)

 

<10分経過>

当てもなく浮いてる;

U: カメ見たかったですよね

俺: そうかも、、

 

<20分経過>

ただ浮いてる;

U: マックス、船はいつ来るの?

マ: 分からない。明日かも(笑)

U: ハハ(汗)

俺: マックス。かなり沖に流されたよね、、、

(いくらなんでも時間がかかり過ぎてるしー)

 

<25分経過>

結構危ない状況かも、、、;

U: 船来ないねー

俺: マックス、船は見えるかい?

マ: 見えない。我々のは赤い船だが。

俺: ここに留まるか?島の方へ移動するか?どっちがいいと思う?

マ: 動かない方がいい。多分島の反対側で他の班を回収してからここに来るはず。赤い風船があるからきっと見つけてくれる。

俺: そうですか。

(まっ、岸が見えてるから、いざとなれば泳いで上陸すれば。でも、1830迄にフェリーに乗らないとパタヤ行きに間に合わないんですが、、)

 

<30分経過>

1隻の赤い船がこっちに向かって来る;

俺: マックス、あの船かー?

マ: 多分!

 おおー、これだ!

 

投げられた救命浮輪に掴まり船に上がる;

インストラクターの責任者: どうした?大丈夫か?何が起こった?

K: (事故だと言うとマックスが怒られそうやな)

 問俺題ない。ただ半時間リラックスしていただけ(笑)

責任者: 、、(苦)

 

船長と話してたマックスが近寄って来た;

 

マ: 他の班は左の流れに乗ったようだけど、我々はUの行きたい方角に進んでいるうちに右の方向に進んだので右に流されたようだ。

俺 そうか。楽しい休憩時間だったね。(笑)

マ: 、、(笑)

U: カメ見たかったですね。

俺: (そこかっ!)

 

思い返せば、1994年@宮古島と1995年@フィリピン/セブ島で遭難して以来、3度目の遭難でした。

今回もケガが無くて良かったが、一歩間違えればかなり危険だったかも。

Nを連れて来なくて良かった。

 

Uはその夜も元気に大酒をくらっていた(笑)