「学力」の経済学
2015年10月
■エビデンスが重要■
この本で繰り返し主張されているのは
「エビデンス」の重要性だ。
日本では、スポーツ等で有名ない人が出ると、両親の教育方法にも注目が集まる。
そして、育児の本が売れる。
また、東大に行ったお母さんや子育てで有名な方の本も多い。
しかし、データを集めて、数字で研究されていない。
教育はデータでは測れない、と言われるかもしれない。
ただ、昔は経営も3K(経験、感、根性)と言われていたが、
今は数字で見ることが常識になった。
教育も同じではないだろうか。
そう思い、この本を見るとなるほどと思わされた。
■データが覆す教育の「定石」■
一般に下記のことがよく言われている。
・ご褒美で釣っては「いけない」
・ほめ育てはしたほうが「よい」
・ゲームをすると「暴力的になる」
ただ、これまでの研究によると正反対だ。
・ご褒美で釣っては「よい」
・ほめ育てはしたほうが「いけない」
・ゲームをすると「暴力的にはならない」
本の中にはエビデンスを元に、理由が書かれている。
しかし、日本の事例が少ない。
そのまま鵜呑みにはできないが、参考にはなると考えられる。
■個々の子どもには当てはまらないことも■
子育てをする中で、どのように教育をしていくか。これはかなり悩ましい。
ここで語られている事は、統計の結果である。
そのため、教育機関等、多くの人を扱い、全体として効果のあることをするためには重要な情報だ。
自身の子どもにそのまま反映できるかと言えば、疑問だ。
しかし、子育て本も大事だが、大局的に捉える事で気づきがある。
子育て本の経験とデータからの知見、両方を知り、
子どもにあわせた育児をしたいと考えられるようになった。
結局答えはないが、親が知っていることで、
子どもに対しバランスがとれた対応ができるのではないだろうか。
自分達(子どもにも親にも)あった学習法、育児法を見つける手掛かりにはなると感じた。