高額医療費控除も不公平!本音あえて書きます | 膀胱癌闘病|けんざぶのブログ

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46歳で膀胱癌を発症し、化学療法2クール施行後、膀胱全摘術(尿路変更は新膀胱/代用膀胱)をおこないました。闘病ブログです。同じような立場の方に参考にしていただければ幸いです。

(2023年9月6日の日記)
膀胱癌になって、TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)2回、化学療法(GC)2回、膀胱全摘+尿路変更で1回、全部で5回入院した。
月の医療費は、それぞれ重複していたり、セカンドオピニオンの検査代とかも同時に色々かかっているので厳密にはわからない。
ただ、大体、TURBTは1回の入院の3割負担で15万くらいだったかな。化学療法は、1回8万くらい。
膀胱全摘の手術の際は83万くらい。
おおよその金額です。

部屋は個室でお願いしていたので、差額ベッドの個室代は治療費の自己負担以上にお金がかかった。
たまたま少額ではあるが、がん保険に入っていたのと、入院の保険は全労災に入っていたので、個室代の7割くらい?は保険で出てくれたのでとても助かった。
あとは、高額医療費制度があるので、保険診療の自己負担はマックスで月に9万くらいかなとタカをくくっていた。
だが、現実はそんなに甘くなかった。汗
所得によって高額医療費の自己負担の限度額は変わるのだ。
今回初めて知った。。。
自分の場合、自己負担額は月約25万を超える分じゃないと返ってこないことがわかった。
なので、TURBTや化学療法のあたりは月の自己負担は15〜25万くらいだったので還付はなかった。
唯一膀胱全摘の入院の際の支払いの一部だけ還付された。
なんだかな。

ここからの話は自分の立場で思うことを綴りますが、それぞれの立場があると思うので、気を悪くされずにこの人はこういう風に思ってるんだなくらいで読んでください。

健康保険料はみんなで出し合うものだから所得によって保険料が変わるのはしょうがないのはわかる。
余裕のある人から多く徴収しないと成り立たないし、それは分かる。
ただ、保険なんだから、病気になった時にかかる負担は所得に関わらず平等であるべきなのではと思ってしまう。
高額医療費までも所得制限をかけるのかと。
社会保険掛金は上限があるにせよ、たくさん払っているほど、いざ病気になるともらえる分が少なくなるなんて。
医療費は高額になることも多いので、高額医療費の制度自体はお金を払えない人を救済するというとても良い制度だと思うし、実際に助かっている。
ただ、毎月所得のない人の15倍以上の保険料を払っているのに、実際病気になると、高額医療費の還付のハードルが所得のない人の3倍も上がってしまうとは。。。
これ税金じゃなくて保険なのに。
今回、長期入院をしてそのあたりの不公平な事情が初めて分かった。

子供手当もそうだ。
今までずっと所得が高い人はもらえなかった。
来年から所得制限は撤廃されることになったが。
みんな1人の人間。子供とか健康に関しては、所得は関係ないはずだ。
手当や還付の金額にそこまで期待しているわけではないが、社会主義的な再分配のやりすぎは不公平に感じてしまう。
子供手当は多くの人に関わるので反対意見が届いたのもしれないが、高額医療費の所得制限については、現役世代で実体験する人は少ないので、あまり問題にならないのかもしれない。
社会保険をマックスで払っている人の数自体は少ないだろうから限度額は一律の金額にしたら良いと思うが。。。
とはいえ、医療費は莫大に膨れ上がっているし、現実的にはしょうがないのかもしれない。
アメリカなど、医療費が高くて受けられる医療の差がものすごい社会に比べたらとても良いシステムだとは思う。

頑張ってお金を稼ぐほど所得税、住民税は上がる。
一次関数的に増えるのではなく、二次関数的に税金は増える。
がんばって収入が上がって、ある一定の額以上になると自分の手元には半分も残らなくなる。
所得が高い人が税金を多く納めるのはわかる。
それは社会には色々な人がいてみんなで社会を成り立たせるためには当然のこと。
日本に住む以上しょうがないとは思っているが、リスクを背負ってお金を稼いでいる者からノーリスクで国が持っていく税金の額を毎年見るたびに、えも言われぬ不公平感が襲う。
懲罰的な税金から逃れるために周りの人でもシンガポールなどに移住した人を何人も知っている。
高所得者が海外に逃げるとますます税収が減るし、海外から日本に優秀な人は入って来なくなるだろう。
所得が高くなってくるとデメリットは他にもたくさんある。高校の授業料無償化、不妊治療、障害児を持つ家庭に支給される特別扶養児童手当、結婚助成金などなど。。。いろんな所得制限に引っかかって受給できない。
色々な機会で所得制限ではじかれて、今回も高額医療費までもかと感じた。
社会福祉は、健康とか教育とか子供の育児、障害児の負担を減らすもので、それって1人の人間として受給されるべきもので、頑張って税金を納めてるものが逆にもらえないってなんか腑に落ちないんだよなぁ。
ただ、みんなに支給すると逆に回らないのとよくわかるし難しい問題ではある。

日本では年収1000万円超の高額所得者は給与所得者のわずか4%で、所得税の税収に占める割合は50%近くに達しているとのこと。
税金を多く納めている人は圧倒的に少数派なので民主主義において票が少ない弱者なのでしょうがないこと。それが民主主義。

ウダウダ文句を言ってきたが、逆に個人的には相続税とか贈与税はある程度の税率は必要かと思っている。
資産が多くある人は贈与税、相続税はそこそこの税率がかかることになるが、そこは世代での独占を禁止するために、これからの子供達(資産家の子も)の公平な競争のためには必要じゃないかと思う。

ハンデキャップがある人、病気の人、低所得の人を支える福祉は大切だと思う。
ただ、少しやりすぎではないか。

所得が低いと得することが多ければ果たして日本は発展していくのだろうか。
頑張るほど叩かれる社会。高所得者は少数派なので余計に叩かれる。
頑張らなくても得する社会。
少し心配になる。
日本は資本主義ではあるが社会主義だと誰かが言っていた。
なるほど、確かに。
格差はありすぎてはいけないが、ある程度は発展のためには必要。
最近は順位をつけない運動会があるらしいが、そんな格差のない運動会で楽しいのだろうか。
かけっこで順位が付けば、上位を目指してがんばる子もいるだろうし、敗者の痛みを知って成長する子もいるだろう。
現実を知って運動会以外の自分の得意分野を探す子もいるかもしれない。
その大事なきっかけをなくしているような気がする。
日本は、弱者を助けて平等にというのを美化しすぎていると感じることがある。逆にそれと違うことを言うと叩かれる雰囲気がある社会であるとも思う。
それは結局、他人に依存して自立を妨げる社会になりはしないか。

ただでさえ少子化の日本。
痛みを伴った激しい改革が必要なのに、いまだに人気取りのためにバラマキとかばかりしている政治家を見ていると、将来が不安でしかない。
莫大なツケを子供達にどんどん押し付けても良いのだろうか。
日本が発展することが絶対的な善とは思わないが、故郷でもあるし、これからの子供達のために、やはり発展してほしい。足を引っ張り合う社会にはなってほしくない。
そのためには、身を切って痛みを伴って、社会が良い方向に変わってほしい。

今回はあくまで個人的に思っていることを書いた。
日本は素晴らしくて良い国だとおもうが、その分、日本の社会の矛盾も感じてしまう今日この頃でした。