お客様が「やってほしい」ことと、お店側が「やりたいこと」にズレが生じると、客離れにつながることがあります。
都内の魚系ランチを出すお店の話
年に数回は行く、魚系ランチを提供するお店の話です。ここは「まぐろ」が有名で、その他にも日替わりで魚のお刺身を出しています。鮮度も量も満足できるのですが、問題は「小鉢」です。
店主がこだわって作っているのですが、全く魚と合わない感じで、たまに「異常に辛い」お惣菜が付いていたりします。
インスタグラムを見ていると、それを残した人が多かったようで、「せっかく時間をかけて作ったのに」と愚痴をこぼしていました。
小鉢は豆腐だけで充分
小鉢は数品あるのですが、良いなと思うのは自家製の豆腐だけです。何回通っても、この感想は変わりません。いつも「これだけで良いのでは?」と思ってしまいます。
小鉢を減らせば、手間が減り、利益率が上がり、お客様の不満も解消され、良いことずくしです。なぜ、そうしないのか、不思議で仕方ありません。
店と客のズレ
- 店→こだわって数品の小鉢を作っている
- 客→そんなにいらないと思っている
- 店→残した小鉢を見て愚痴をこぼす
- 客→豆腐だけで充分
このように両者に「ズレ」が生じています。上に書いたように、小鉢を減らして、豆腐だけにすれば、両者共にハッピーになるのですが、未だにこの問題は解消されていません。
年間で12万円の損失
こだわりがあることは良いことです。が、お客様の意向を無視したこだわりは、単なる「自己満足」です。このお店も、小鉢の問題が無くなれば、もう少し行く頻度が増えるのになといつも思います。
一回あたり1,200円で、年に10回増えれば1万2千円です。Googleや食べログの口コミを見ている限り、同じように思っている人が他に10人以上います。
ということは、こだわりによって、年間で12万円ほどの「機会損失」になっているということです。ワンオペの個人店で、これは相当大きいです。
こだわるべき部分とは?
こだわるなら、お客様から「求められた部分」にしておきましょう。このお店で例えると、「自家製豆腐に力を入れています」と言うのが正解です。インスタグラムに愚痴を書いている場合ではないのです。