「笹野さんって青山とか代官山で生まれ育った都会のおぼっちゃんって感じですね」という類のことを、これまでに軽く「100回以上」は言われています。意外とバレないもんだなと思います。
ここにも書きましたが、生まれたのは三重県津市です。
電車もバスもないような「ド田舎」です。祖父母の家(母親の実家)から海まで200mくらいのところなので、洗濯物がベタついたり、風の強い日はテレビの映りが悪かったりします。この経験から、海の近くに住みたいとは思わなくなりました。
育ちは西日本の大都市です。そこの「都会のど真ん中」みたいなところが実家で、生まれた場所とは正反対のような環境で育ちました。父親がその界隈の人です。
小さい頃から、その街の「ノリ」が苦手でした。一刻も早く出ていきたいなと思っていました。あまりにも便利な場所にあるので、腰が重くなってしまいましたが、東京で一人暮らしを始めた際に「ようやく、自分にふさわしい街に来たな」と思いました。それが白金台でした。
耳が抜群に良いみたいで、標準語はすんなり身につきました。自分から言わない限り、絶対にバレません。まさか西日本の出身だなんて想像もつかないでしょう。言うと、ものすごく驚かれます。
「東京の都会の人っぽい」ということは、地元にいる時から言われていました。特に意識していたわけではありませんが、自然とそういう雰囲気が身についたのかもしれません。
東京に出てきて、東京人を演じながら、日本全国の色んな人に会って思うのが、「日本人は東京が大好き」だということです。どこに行っても「東京から来てくれた」という態度を示してくれます。これが、東京にいる最大のメリットです。
バレないようなので、しばらくは演じ続けておこうと思います。そう思われるなら、実家が青山でも代官山でも構いません。そう信じさせておいた方が、相手も喜ぶかもしれません。