「売れるようになりたいんです」という人によく言うのが「売れたいなら、東急ハンズの1コーナーに置かれるような、マニアックな商品を作った方が良いですよ」という話です。
目立たないが「需要」がある商品
東急ハンズに行くと、人通りの多いメインの売り場ではなく、端っこの方に「ぽつん」と置かれているようなコーナーが気になります。
一体、誰が買うんだろう?と不思議に思うのですが、置いてあるということは、誰かが買っているか、担当者が「これは売れる!」と判断したということです。
一ヶ月後にまた見に行き、まだ置いてあったら、それなりの「需要」なり「販売実績」があるということです。
「用事のある人」に確実に応える
商売を始めたばかりの段階で、いきなり大勢に売れることはありません。あなたは天才ではありません。そんなヒット商品を生み出す才能も、資金力も、生産するシステムも持っていません。だから、そこを目指すこと自体、間違っているのです。
個人がやるスモールビジネスでは、いかに「用事のある人」の期待に応えるかが重要です。数は少ないけど、困っている人がいる。その人の不満や悩みをどう解消するのか。そこが問われます。
一応、注意しておきますが、商品を作って、東急ハンズに置いてもらえるように、プレゼンをしなさい、ということではありません。世の中のごく少数の人の困りごとを見つけ出し、それに応える商品を作ることが、個人が生き残る道ですよ、と説いているのです。
大企業もスモールビジネスから始まった
どんな大企業でも、創業当初は中小企業や個人事業のスモールビジネスです。小さな不満や悩みを解消したり、その声に応え続けてきた「結果」として、大きくなったのです。
「起業一年目で年収1千万円」と宣伝文句にしている人がいますが、難しいだろうなと思います。商売のド素人がそこを目指すと、痛い目に遭います。夢を見るのは自由ですが、実現はしないでしょう。方向性が、そもそも間違っているからです。