できれば誰とも話したくない。そんな風に言うと「疲れてるの?」とか「もしかして、うつ病?」とか「人間関係のストレスがあるんでしょ?」と妙に心配されるのだが、心身ともに健康だし、ストレスもない。単に、人と話すのが苦手というか、億劫なだけであり、それを堂々と公表しているだけなのだ。

 

気心の知れている人となら大丈夫だが、見ず知らずの人と、大した用事でもないのに話したくない。目を合わせることもできないし、滅多に話さないから声も出ない。聞き返されるのも鬱陶しい。それなら最初からタッチパネルを置いておいてほしい。

 

コロナ禍を経て、随分とデジタル化が進んだ。これを最も喜んでいるのは、我々のような「人見知り族」だと思う。なんせ、人と話す機会がグッと減った。お店に入って買い物をしたり、食事をして会計をするまで、誰とも話さなくて良い。こんな快適な状況、なぜもっと早く作ってくれなかったんだと本気で思った。

 

酒が好きなので居酒屋には行くが、決して常連にはならない。店主やその他の常連客と話すのが嫌だから。行きつけはある。何度も通っているので、向こうも覚えているかもしれない。が、絶対に深くはならない。もしそうなりそうなら、二度と行かない。

 

一番困るのは、アパレル店の接客。これ、本当に困る。ビームスでもユナイテッドアローズでもシップスでもジャーナルスタンダードでも、すぐに店員が声をかけてくる。「良かったら広げて見てくださいね」と、広げて見ている途中に言ってきたりする。頭が悪いのかな?とすら思う。

 

これが嫌なので、接客のないユニクロや無印で買うことになる。あれこれアドバイスしてほしい人がいるのは理解できるが、黙って自由に見せてほしい人もそれなりにいるんだぞ、ということも理解してほしい。

 

あなたはコンサルタントでしょ?人と会って話すのが仕事じゃないの?とよく言われる。それはそうなのだが、これも極力、人と合わないように「工夫」している。

 

そもそも、私のことを全く知らない人は、会いに来ない。ブログなり動画なりで、それなりに情報を得て、わざわざ時間とお金を使おうと思った人しか、会いに来ない。しかも時間は二時間。その間だけはコンサルタントという仕事を「プレイ」として楽しんでいる。

 

普段のやり取りはメールなので、ここでも人との接触を避けている。会社員の時からメール主体で仕事をしてきた。かれこれ20年弱、このスタイルでやっている。対面せず、好きなタイミングでコミュニケーションが取れるので、重宝している。もし、この世にメールというものが存在しなければ、もうこの世にいないかもしれない。

 

そのくらい、私にとっては、人と話すということは苦手な行為であり、できれば避けていきたいものなのだ。こういう人、100人中30人はいると思う。みんな気が弱いから言わないだけで。