うちの会社の慌てん坊《うちの会社シリーズ》 | 誰かのためにある詩

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現在一ヶ月でオリジナル詩五十作作成に奮闘してます‼

気に入ったのだけ載せてます‼読みやすいと思います!

良かったら見てください♪コメントも待ってます♪

小さい子供が落ち着かないで、そわそわしてるように、大人になってもそわそわしている人はたまにいる。

50前の会社のおじさんもいつもそわそわしていると言うかせっかちである。


エピソード1


《コピー機》


これは、俺がまだ本社工場に異動して来たばかりの頃の話である。


俺の教育係りとして、10年目の50前のおじさんが担当してくれる事になった。


衝撃的な程、猫背。

そして、がりがりなおじさんは良く喋る。

そして、良く走る。ε=(ノ・∀・)ツ


短い距離でもダッシュε=(ノ・∀・)ツ

特に意味なくダッシュε=(ノ・∀・)ツ


もう見てるだけで疲れる。


そんないつも忙しそうなおじさんは、基本的に人の話を最後まで聞かない。

ある日、仕事で使う書類の枚数が足りなかった。

そのため、コピーをしないといけないのだが、

工場内部にコピー機はない。


隣接した事務所にあるのだが、

まだ事務所に入った事がなく、お偉いさんや女性人がたくさんいる事務所はなるべく入りたくなかった。


しかし、そうは言ってられないから、直ぐにコピーを済ませよう。事務所のどこにあるのか、とりあえず、教育係りのおじさんに聞いてみた。


俺「」おじさん『』でお送りします。


「あのー、すみません。」

『なんだ!?トラブルか!?』

「いや、トラブルじゃなくて、これコピーしたいんですけど、コピー機どこですか?」

『なにー!コピーの仕方が分からないのか!?』

「いや、コピーの仕方は分かるんですけど、コピー機の場所……」

『着いてこい!』

場所を聞きたかったのに、コピーの仕方が分からないと思われたようだ。

とりあえず、おじさんの後ろをコピーしたい用紙を持って着いていく。


事務所に入ると、割合、分かりやすいところにコピー機があった。


『これだ!』


 
うん、分かるよ(´・ω・`)


「ありがとうございます。後は自分で…」

『まずは、電源を押して…』

あ、俺の話聞いてない。

まぁ、なんかやってくれるみたいだから、いいか。


『サイズを選択!枚数は?』

「あ、10枚くらいで。」

『よし、10枚!後は、コピー開始!』





!Σ( ̄□ ̄;)え?コピーしたい用紙、俺持ってるんだけど、これは?


コピーが動き出す音がする。


はっ!Σ( ̄□ ̄;)

もしかして、一度コピーした物をコピー機が記憶保存していて、コピーする紙を読み込ませなくても、

自動でコピーしてくれるのか!?


そんな最新式だったとは、知らなかった。

うわー、コピーしたい紙を持ち歩いている俺、めちゃダサいじゃん。

咄嗟にコピーしたい用紙を、後ろに隠す。



ガガガ、コピー機からコピーした紙が十枚出てきて、

おじさんがそれを俺に手渡す。



その紙を裏返しにすると、









10枚とも白紙!Σ( ̄□ ̄;)!!!


そんなにコピー機ハイテクじゃなかった件。


おじさんが慌ててコピー機を調べだす横で、

申し訳ない感じで俺は、


「あ、これコピーしたい用紙です。」

と差し出す。

おっさんはそれを受け取りながら言った。







『コピーはやっぱ、俺でも難しいわ!次は、もっと機械に強い人に頼めよ!』


!Σ( ̄□ ̄;)普通のどこにでもあるコピー機やんか!出来るわい!



エピソード2


《甘い罠》


おじさんは何気に冒険好きである。

変な隙間から現れることもしばしば。


『近道見つけた!』


ガリガリな体だから通れる隙間。

ガイコツみたいな風貌で人が出入りする場所じゃないところから現れると、「悪霊退散!」と言いながら、塩を撒きたくなる。


ちょっとの段差なら華麗にジャンプ!

少し高ければ跨ぎながらもジャンプ!

昭和生まれだけど、JUMP!

おじさんは軽快に飛び回るが、時おり、飛び越した側と反対の足を振り抜き忘れて、膝を強打する場面もしばしば。


そんな時は、必ず。

『危ないから、はしゃがない』と俺に身をていして教えてくれる。

心配なされるな、俺は飛ばないよ(´・ω・`)



そんなある日、おじさんが近道を見つけた!と言ってきた。

着いていくと、最早、道ではない場所だった。

小さな溝に蓋がしてあって、その横を草が生い茂る。

暗い上に、外にある大きな機械が設置されていて、周りの声をも消し去る音を放つ。その隙間を歩くとの事だった。

おじさんは最初の一歩を華麗に舞った。

舞う必要があったのかは定かではなかったこの時、

『お前も来いよ!』と少年達が冒険に出掛けるような爽やかな雰囲気を醸し出すワードだけど、現実に立ってるのは、ガイコツのような初老。


仕方なく、後を着いて行くことに。

けして、俺は飛ばない。

最初の一歩を踏み出した時、

初老はこっちを振り向いて、一言言った。






『最初の溝の蓋、腐ってるから』



!Σ( ̄□ ̄;) 時既に遅し。

蓋が外れて、右足が溝にはまる。



そうか、


そう言うことか、


初老はけしてウキウキして最初の一歩を飛んだ訳ではなかった。

蓋が腐ってるのを知っていたからか!?Σ( ̄□ ̄;)


ここが戦乱の世だったら、まさに策士!






『あー、だから言ったのに』


!Σ( ̄□ ̄;)おせーよ!言うの!怒




エピソード3  


《犯人は誰だ。》


慌てん坊のおじさんはよくミスをする。

ある種、ミスが代名詞のようなものである。


なので、決まって、

「クレームが出ました。」と上司が言うと、

小動物のように震えるのであります。


まだ誰がやったかも分からないのに、既に自覚をしているのか、懸命に上司の機嫌を取ろうとする。


クレームもピンきりなのだが、大きさや数に応じてボーナスの査定に響いて来る。


「あ、多分今回はおじさんじゃないよ」


上司のその一言で、おじさんのスイッチがONに変わる。


『誰だ!クレームなんて出した奴!お前か!?お前か!?それともお前か!?』

自分じゃないと分かるや否や、犯人探しに精を出す。





『こんな初歩的ミスして、あー恥ずかしい。』





『仕事1から覚え直しだな。まいった。まいった』





『教えてやろうか?俺が分かりやすく、教えてやるぞー』





止まらない、おじさんの言葉攻め。




みんな馴れた事なので、誰も反応しない。


そんな中、スッキリな出来事が、




上司の口から。






「あー、ごめん。やっぱ、またおじさんだった。」





散々、わめき散らした結末が結局自分だったオチ。

上司がおじさんの肩に手を当てて、


「1からみんなに教えてもらえ」と言って、解散した。