中村けんです。

 

 

この1か月で、西尾市方式PFI事業をめぐる司法判断が5つ示されました。そのうち4件(①、②、④、⑤)は、契約相手であったエリアプラン西尾が原告となったもので被告は西尾市、残りの1件(③)は、元副市長の増山信也氏などが原告となったもので被告は西尾市長です。

 

 

結論としては、5件とも原告の請求、控訴、抗告は棄却されています(退けられています)。

 

 

また、④の訴訟においては、契約解除の有効性と解除権の放棄が大きな争点となりましたが、市の主張が認められ、令和3年度末に行った契約解除は有効、解除権の放棄もしていないと認定されました。

 

 

契約相手であったエリアプラン西尾からは、見直し協議においても、契約解除後の対応においても、西尾市民に寄り添う姿勢は一向に見られず不毛な状況が続いているため、以前、その姿勢を「常軌を逸している」と表現しました。

 

 

解約解除に伴う損害賠償は当然支払わなければなりませんが、これまでのような不毛なやり取りでいたずらに時間が経過することのないよう、エリアプラン西尾には、契約解除を前提とした建設的な対応を求めたいと思います。

 

 

 

① SPC維持組成費に係る金員仮払仮処分申立事件の即時抗告に対する名古屋高等裁判所の決定について(3月15日付)

 

〈事件の概要〉

エリアプラン西尾が市との間でPFI事業契約を締結しているところ、市が本件契約に基づいて支払うことが合意されているSPC維持組成費を支払わないと主張して、本件契約に基づき、市に対し令和4年10月から毎3か月末日限り金1612万6366円の維持組成費を仮に支払うことを求めて申立てたもの。

 

 

② 増加費用請求控訴事件に対する名古屋高等裁判所の判決について(3月17日付)

 

〈事件の概要〉

第1審判決の取り消し及び「きら市民交流センター(仮称)支所棟」の買取予定日を9か月延期したことに伴う金利、遅延損害金相当額の増加費用 約2050万円の支払いを市に求めたもの。

 

 

③損害賠償請求住民訴訟事件に対する名古屋地方裁判所の判決について(3月23日付)

 

〈事件の概要〉

一色B&G海洋センタープールの解体工事を、市が株式会社エリアプラン西尾以外の業者と契約したことは、西尾市方式PFI事業契約に含まれる事業と重複する工事の発注であり、二重契約にあたり違法であるとして、 市が被った工事代金相当額の損害を市長に対して賠償請求するように求めたもの。

 

 

 

④ 管理者指定取消処分差止請求事件に対する名古屋地方裁判所の判決について(3月23日付)

〈事件の概要〉

PFI事業契約解除に伴う一色3館及び資料館の指定管理者の指定取消処分の取消しを求めたもの。

 

 

⑤ 損害賠償請求事件に対する名古屋地方裁判所の判決について(3月29日付)

 

〈事件の概要〉

工事中止に伴う増加費用を請求した訴訟の判決で認められなかった業務委託費用(アップビート株式会社)や弁護士費用(西村あさひ法律事務所)など、約2640万円の支払いを求めたもの。