中村けんです。

 

 

本日、市議会9月定例会終了後に開かれた全員協議会と、その後に開いた臨時記者会見において、西尾市方式PFI事業の契約解除について発表しました。

 

 

 

西尾市は、株式会社エリアプラン西尾(以下「SPC」)との間で締結をした特定事業契約、いわゆる西尾市方式PFI事業の契約を、今年度末である令和4年3月31日をもって解除いたします。

 

 

 

西尾市方式PFI事業については、契約前の当時、主な利用者となる地域住民の声を反映させていく姿勢に欠け、強引に進められたばかりでなく、寺津温水プールの立地など、現実的に無理がある事業でもありました。

 

 

しかし、契約が締結されているのも事実であり、それを踏まえ、市民の声を反映させた見直し方針を策定し、その実現に向けて最善を尽くしてまいりました。

 

 

SPCが主に市内の企業で構成されていることから、これまで丁寧な合意解決を目指してきましたが、選挙によって民意が示されたにも関わらず、様々な協議の場において、市民に寄り添って事業を遂行していこうという前向きな姿勢は一向に見られず、できない理由が述べられるばかりで、不毛なやり取りが続きました。

 

 

その一方で、見直しを進めるにあたり、SPCから突き付けられた金銭支払いの条件を拒めば、それが合理性を欠くと思われるものであっても訴訟が提起され、信頼関係を築きながら協議を続けるということが非常に困難な状況となりました。

 

 

さらに、公正中立な第三者が入った民事調停の場においても、事業の縮小によって生じる損害の議論ができなかったことなど、建設的に事が進んだとは言い難く、結果、調停打ち切りとなり、残念ながら問題解決に至ることができませんでした。

 

 

 

2度の選挙において市民から明確に「NO」が突き付けられたことに加え、契約当事者双方の信頼関係が崩壊していると言われても仕方ない現状において、この契約を続けていくことは、負の遺産を引きずるだけであり、市のためにも市民のためにもならず、契約を続ける意義を見出しづらいため、契約解除を決めたものであります。

 

 

そして、契約解除についても、お互いに合意したうえで解除できることが望ましく、SPCに改めて民意を伝えるため、この数か月はそのための協議を何度も呼び掛けてまいりましたが、テーブルに着くことすら拒絶されています。

 

 

これは、SPCが市民の声を聴くこと自体を拒絶していると言っても過言ではありません。

 

 

このような状況にあっては、市の側から解除を通告せざるを得ず、これが現時点における最善の選択でありますので、ご理解いただきますようお願いいたします。

 

 

 

なお、現在実施途中で令和4年3月31日までに完了する予定の横須賀老人憩の家ホール棟の解体工事、一色町体育館の改修工事、寺津小学校及び寺津中学校の改修工事については、そのまま完了を求めます。

 

 

また、解除後の一色3館などの運営については、現在の事業者に引き続き実施していただくことが、利用者にとってはもちろん、事業者にとっても影響が少なく、望ましいものであると考えています。

 

 

事業者が引き続き実施する意思をお持ちの場合には、直接指定管理する方法を検討してまいります。