あけましておめでとうございます。

 

 

中村けんです。

 

 

 

昨年は、新型コロナウイルスが猛威を振るった一年でした。

 

 

2月下旬に小中高校が臨時休校となり、4月上旬には政府から緊急事態宣言が出されました。

 

 

この頃は、ウィルスの特性もよく分からず、世界がどうなってしまうんだろうと、多くの方が不安に感じたことと思います。

 

 

社会全体が混乱し、先行きが見通せない中、西尾市でも独自の新型コロナウイルス対策に奔走した時期でした。

 

 

 

第1波が落ち着きを見せ、徐々に社会経済活動が再開されるようになって以降は、世間の空気というか、人々の心持ちも自然と穏やかになっていったのではないでしょうか。

 

 

しかしながら、11月以降、第3波によって引き起こされている感染拡大状況は、年を越しても収束する兆しを見せていません。

 

 

春先の頃と比べると、良くも悪くも新型コロナウイルスに対する「慣れ」があり、それが影響しているのかもしれません。

 

 

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長を務められる尾身茂氏の言葉を借りれば、「急所」を押さえた対策を講じていくことが、ウイルスとの長期戦において大事なことのように思います。

 

 

 

また、年末には、市議会市民クラブが開催した宴会のことでお騒がせをしました。

 

 

議会との関係性に気を使い、招待を受けた身で強くものが言えなかったのが正直なところですが、中止を求めるべき立場にありながら、それができず大変申し訳ありませんでした。

 

 

 

さて、国内で新型コロナウイルスが猛威を振るい始め、まもなく1年になります。

 

 

実際に市の現場を預かっていて難しいと感じることは、感染者を特定されないためにプライバシーへの配慮が求められるという視点と、感染状況についてなるべく詳細をお伝えできた方が安全・安心に繋がるという視点とのバランスです。

 

 

感染情報については、県の機関である保健所が把握していますが、保健所では人手が足りない一方で、基本的には市にも市民の方々と同じ情報しかいただけません。

 

 

そのため、感染拡大防止の観点からは、感染防止対策を呼び掛ける啓発活動が主になっています。

 

 

なお、公立の保育園・幼稚園や小中学校は市の施設となりますので、身近な方が感染者や濃厚接触者になった場合に、保護者の方から任意で連絡をいただき、なんとか水際で食い止められるように腐心しているところです。

 

 

プライバシーへの配慮が求められる必要性は重々承知しつつ、国・県・市という行政機関の間でもう少し運用の改善ができないか、引き続き求めていきたいと考えています。

 

 

 

今年のことでいえば、一番大きなトピックスはワクチンの接種になります。

 

 

12月の中旬に説明会があり、まだ分からないことも多いですが、2月下旬から医療従事者へ、3月下旬から高齢者へ、新年度に入り一般の方々へというスケジュールでワクチンの接種が実施されるようです。

 

 

10万円の定額給付金の事務と同じように、1日でも早く希望する方に接種していただけるよう、担当部署のみならず、市を挙げて体制の整備と準備を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 

 

なお、新型コロナウイルスは、いつ・どこで・誰が感染するか分かりません。

 

 

身の回りで感染者が出たという情報を耳にしても、感染者探しをしたり、誹謗中傷をすることは絶対に控えてください。

 

 

 

 

 

次に、西尾市方式PFI事業について。

 

 

前回の市長選挙において、西尾市方式PFI事業の見直しは大きな公約でした。

 

 

市民のみなさんが期待するスピード感で見直しが進んでいるとはいえず、申し訳ありません。

 

 

 

西尾市方式PFI事業については、色々と問題があるのですが、総括として今挙げるのであれば、①PFIに適した事業なのか否かの選定、②地域住民との合意形成、③コンサルタントの使い方が特に大きな問題であったと考えています。

 

 

 

以下、なるべく分かりやすさを重視した説明をさせていただきます。

 

 

PFIというのは民間の資金やノウハウを公共事業に活用するところに大きな特徴があり、一般的には公共サービスを通して事業者が儲けることを是とし、その儲けの一部を維持管理費用などに回してもらうことで、行政が負担すべき維持管理費用などを削減するケースが多いです。

 

 

僕は、一定のルールの下、競争性が保たれて事業者が決まったのであれば、それ自体が悪いとは思っていません。

 

 

しかし、事業者が儲けを出すことに重点を置けば置くほど、利用者となる地域住民のみなさんが公共サービスに望む内容とのギャップが大きくなっていく恐れがあります。

 

 

 

実際のところ、西尾市方式のPFIでは、企業の創意工夫の余地を大きくするところに特徴があったため、市が民間事業者に求める施設やサービスの内容(要求水準)は抽象的にしか規定せず、地域住民との合意形成の点で大きな問題を抱えることになってしまいました。

 

 

典型的な例として、事業者から提案のあった、寺津小中学校のプールを廃止した後の跡地に、民間プールの機能も併せ持った温水プールを建設するという事業について述べます。

 

 

施設を有効活用するという観点からは、学校プールの機能だけでなく、民間プールの機能も併せ持つというのは合理的な考え方だと思いますが、実際にプールを建設するにあたっては、駐車場を必要台数確保する必要性から、学校の運動場が削られることになっていたようです。

 

 

しかも、そのような重要事項について、保護者などに十分な説明がされず、教育行政の実質的トップである教育長は事業を進める考えだったので、学校の先生方も表立って反対を唱えられなかったそうです。

 

 

 

これも、市が運動場を削ることになってもそのようなプールを建設するという考えを持ち、学校関係者の合意を得たうえで事業を実施しようとしたのではなく、PFI事業の中で事業者側からそのような提案があり、どのような理由か分かりませんが、それを追認するしかなくて突き進もうとした結果です。

 

 

はっきり言って、このような暴挙は、通常の市政運営ではあり得ないことです。

 

 

こうしたことは、今までPFIを経験したことがなかった西尾市が、コンサルタントに言われるがまま、「日本初」という大風呂敷を広げて進めようとしてきたこの事業の中に、いくつもあります。

 

 

 

しかしながら、その一方で、契約が締結されているのも事実です。

 

 

そして、市側から契約の解除ができないなど、市にとって不利な契約内容であると考えています。

 

 

そのため、西尾市が当初描いていたPFI事業に色々問題があったとしても、事業者の協力なくしては見直しをスムーズに進めていけません。

 

 

 

事業者側の考えも様々なようです。

 

 

一刻も早い解決を望む人もいれば、徹底的に対立して政治問題にしたい人もいるようです。

 

 

そして、その対立を政治利用しようとする勢力もあるように聞きます。

 

 

 

契約相手であるエリアプラン西尾の岩崎智一代表とは、今年度に入っても何度か対面で話をさせていただきました。

 

 

岩崎代表からは、形式上は代表であっても、実質的な権限が自分にあるわけではないという趣旨の発言もありましたが、トップ同士で大きな方向性を決めていくのは大事なことだと考えています。

 

 

また、西尾市方式PFI事業は、代表企業は市内でスイミングスクール6・3などを運営する豊和という企業ですが、それ以外にも多くの関係する企業は市内に籍を置いています。




西尾市民のためにも西尾市のためにも、我を張るのではなく、お互いに歩み寄りながら事業の見直しをスムーズに進めていけるよう、引き続き粘り強くお願いをしてまいります。

 

 


大義のない争いは、西尾市にとって決してプラスになりません。




 

 

最後に、合併10周年について。

 

 

2021年の4月に、西尾市が一色町・吉良町・幡豆町と合併して10周年を迎えます。

 

 

※合併10周年記念事業ロゴマーク

 

 

 

 

海・川・山という豊かな自然環境に恵まれ、農業・漁業・製造業がバランスよく発達した今の西尾市の強みは、多様性であると考えています。

 

 

「西尾の抹茶」「一色産うなぎ」「三河一色えびせんべい」に代表される農水産物、国宝である金蓮寺弥陀堂や城下町としての歴史、西尾祇園祭、三河一色大提灯まつり、鳥羽の火祭りに代表される祭り、三ヶ根山や吉良温泉、岩瀬文庫など、これだけ豊富な地域資源を有するまちは、全国を見渡しても他にないのではないでしょうか。

 

 

 

今年は、4月に開催予定の記念式典を皮切りに、ももいろクローバーZのコンサート、吉良氏800年祭事業、フルマラソン大会などを計画しています。

 

 

合併10周年を盛大に祝うとともに、現在の西尾市が持つ魅力を再認識していただける様々な事業を展開してまいりますので、どうぞ楽しみにしていてください。

 

 

 

 

 

それでは、本年もよろしくお願いいたします!