中村けんです
10月4日(日)、いわゆるTSUTAYA図書館建設に対する住民投票が小牧市で行われ、反対が多数という結果となりました。
それが良かったのか悪かったのかは、僕がコメントすることでもありませんが、まずそもそもの論点整理として、事業の目的は以下の通りです
現在の市立図書館の老朽化・狭隘化に対応する。
利用者の利便性向上と拡大を図る。
中心市街地のにぎわいを創出する。
要は、現在の図書館の老朽化への対応を機に、中心市街地活性化の核として図書館を位置づけるというものです
そして、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に、その運営を委託する予定であるというものでした。
いわゆるTSUTAYA図書館については、佐賀県武雄市の例が有名で、僕自身、当時の武雄市長の講演を聞いたり、著書を読んだりして、図書館をまちづくりの核として位置づけること自体には前向きな考えを持っています
しかしその一方で、武雄市図書館には、図書館としてふさわしくないような蔵書が紛れ込んでいたというニュースが最近では話題になりました
このニュースが小牧市の住民投票にどれだけの影響を与えたかは分かりませんし、小牧市の住民投票の結果が他の自治体における今後の図書館政策にどれほど影響を与えていくことになるのかも分かりません
ただ、僕が少し心配に思うのは、いくつかの肯定的なニュースが出ればその政策は大成功、逆に、いくつかの否定的なニュースが出ればその政策は大失敗と捉えられてしまうような風潮が無きにしも非ずだということです
価値観が多様化した昨今、すべての人に受け入れていただける政策も、すべての人に反対されてしまうような政策も基本的にはありません。
それぞれメリット・デメリットがある中で、どうバランスを図り、結論としてどのような政策的判断をしていくかということだと思っています。
今回の小牧市の件でいえば、「反対」多数となった民意はとても重いものです
世間的な関心でいえば白紙撤回するか否かの結論に気が行きがちですし、議会も行政も民意を尊重する必要がありますが、それが必ずしも計画を全否定することだとは思いません
そういう意味では、山下市長から発せられた「民意が示された以上は一度立ち止まって、どこがどのように問題なのか、市民と意見を交えながら検証していく」という言葉のニュアンスが、個人的にはとても印象に残りました。
なお、本件については、小牧市のホームページ上で計画等の詳細をご覧いただけます。
http://www.city.komaki.aichi.jp/shogaigakushu/library/010859.html
また、以下のサイトでは、本件について説得力を持った内容でまとめられていると感じましたのでご紹介します。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1510/06/news027.html