【10月17日 金曜日】

 

この日は、初のトークライブ。
『BOY’S TALK』

 

で、出演者のじゅんぺいさん、しんぺいさん、ボクと、全員が初のトークライブということもあってか、改善することは多し。

 

でも、何事もやらなきゃ答えなんて出ないのです。

 

そのおかげで改善点もたくさん出るワケですし。

 

って、自分に言い聞かせるかのようにライブ&打ち上げを終えます。

 

すると、打ち上げの後、じゅんぺいさんはお知り合いから呼ばれたということでお帰りになられたのですが、そこで残ったボクとお手伝いをしてくれた工藤さんに対してしんぺいさんがこんなことを仰られたのです。

 

「コーヒーしない?」

 

ボクは、ライブの打ち上げの後にコーヒーを飲んだことがなかったので、しんぺいさんのお誘いはギャグではないかと思いツッコミそうにしまったのですが、しんぺいさんの表情はギャグではなく真剣そのものだったのです。

 

「一杯どう?」

 

新橋のサラリーマンが後輩リーマンに対してもう一軒行こうよと誘うような感じで、しんぺいさんはコーヒーを飲みに行こうと仰られているのです。

 

ですが、ボクもまだ帰りたくない気分だったので、しんぺいさんのお誘いについて行くことにして、マクドナルドでコーヒーをご馳走になったのです。

 

すると、そこでしんぺいさんは、マクドナルドで一人寂しく佇む女性を見つけるなり、聞こえるか聞こえないかぐらいの声でこんなことを仰られたのです。

 

「あれあれ、大丈夫?」

 

でも、その女性はただただ一人で時間つぶしをしているワケで、別に大丈夫なのです。

 

ですが、しんぺいさんはお一人で深夜のマクドナルドに佇む女性を見つけるなり、

 

「あら、大丈夫?」

 

と、片っ端から、聞こえるか聞こえないかぐらいのお声で心配をしていかれるのです。

 

すると、少しするとしんぺいさんは、その一人で佇む女性を見たことで何かのスイッチが入られたのか、こんなことをボソっと仰られたのです。

 

「仕方ねぇなー…下北の安全を確かめる為に、パトロールするか…」

 

〝パトロールというえらい遠回しな言い方をしているけど、これは確実にオナゴと話しがしたいんだな!〟

 

とバカみたいに気づいたボクらは、すぐさまマクドナルドから出て、そのしんぺいさんが言う〝パトロール〟を下北沢の駅前で開始することにしたのです。

 

「どれどれ、下北は安全なのかねぇ」

 

そんなことを一人つぶやくしんぺいさんをよそに、ボクもライブ終わりということもあってか勢いにノリ、下北沢の駅前でめぼしい女性に目掛けて声を掛けることにしたのです。

 

すると早速、ボクが声を掛けた女性が足を止めてくれたのです。

 

ただ、その女性は少しばかりお酒が回れているのか、ボクに対してこんなことを言ってきたのです。

 

「なにーなになになになにー怪しいんだけどー」

 

声を掛けておいて言えた柄ではありませんが、ボクからすればその女性の方が確実に怪しいように見えてしまったのです。

 

ですが、これもしんぺいさんのお言葉をお借りすれば〝パトロール〟の一環。

 

そこでボクは、その女性に勇気を振り絞り、

 

「よかったら飲みに行きませんか?」

 

とお声を掛けさせて頂いたのです。

 

ですが、その女性は相も変わらず、

 

「怪しーよ!怪しーよ!」

 

と絶叫するばかりなのです。

 

ですが、それでもボクは引き下がることなくなんとか押し続けてみたのですが、少しするとその女性が落ち着いてきたのかこんなことを仰ってくださったのです。

 

「んー怪しいなぁ。でも、友達がイイって言うんなら別にいいよ」

 

〝これは…ある意味オッケーということではないのか!〟

 

とボクが喜びを噛み締めつつそこでしんぺいさんを見やってみたのですが、なんと、しんぺいさんはさっきのパトロール発言の時のテンションとは全く違い、ものすごく奥手な素振りかつ、ポケットに手を入れてカッチョつけながらこんなことをつぶやいたのです。

 

「あ、どうも、あ、どうも」

 

〝泥酔をしたこの女性を拒否しているのか…?〟

 

それとも、

 

〝ただただカッチョつけているのか…?〟

 

そんな疑問が浮かびまくる中、そんな所にその女性の〝友達〟が登場したのです。

 

「お疲れー!今ね、この人たちと飲みに行こうって言ってたのー!」

 

ですが、なんとその女性の〝友達〟は、男性で、さらには、インド人っぽい人だったのです。

 

「あ…どうも、あ…どうも」

 

さすがに、ボクもしんぺいさんと同じような呆然とした格好でそのインド人らしき男性に挨拶をするしか出来ないのです。

 

「ア、ドウモ…」

 

「………」

 

沈黙が続く中、ボクはこちらに笑顔を向けてくる女性にこんなことをボソッとつぶやいたのです。

 

「あの…またよかったら今度飲みましょう…」

 

そして、ボクらはその女性とインド人らしき男性に、なぜか手を振ることしか出来ず、お二人が何処かに消えるまで見送り続けたのでした…。

 

ですが、そんな哀しい事件が起きた後、しんぺいさんはものすごく前向きな表情でこんなことを仰られたのです。

 

「どんまい、どんまい!」

 

〝まだ続けるのか…〟

 

そんなことを思ってしまいそうになるものの、しんぺいさんはまだ煮え切らないらしく、ボクらに向かって優しく微笑みながらこんなことを仰られたのです。

 

「じゃあ…最後に下北沢を一周だけパトロールして帰ろっか」

 

さすが、そこで、

 

〝パトロールという言葉だけは譲らない〟

 

しんぺいさんが多少は気にはなったものの、ボクもなんだか煮え切れていなかったのでそのしんぺいさんのご提案に乗ることにして、下北沢をグルっと一周することにしてみたのです。

 

ですが、ボクらは結構な距離のある下北沢をグルっと一周しながら誰にも声を掛けることなくただただ無言で歩いてしまい、哀しいことに誰も居なくなった駅前へと舞い戻ってきたのです。

 

「………」

 

するとそんな沈黙の中、そこでしんぺいさんはまるで菩薩か!というほどの微笑みをボクらに向けながら、こんな一言を言い放ったのでした。

 

「ま、下北沢も安全だったってことだね?よしっ、安心したところで帰るか」

 

思わず、ボクはこんなツッコミを入れざるを得なかったのでした。

 

「いや、しんぺいさんが言ってたパトロールって、本当のパトロールだったんですね!」

 

そして、三人は下北沢の治安を見守り終えると、各々がなんとも言えない何かを背負いながらも帰ったのでした。

 

ですが、ボクは自転車で帰宅していたのですが、そこからまだなんだか悶々としてしまい、地元のシンタロウさんのお店へと行くことにしたのです。

 

そして、そこでこの日のトークライブのことなどをご相談させて頂いたのです。

 

すると、そこでシンタロウさんはこんな風に仰ってくださったのです。

 

「俺はライブとかを見てないからなんとも言えないけどさ、お前ら芸人は自分のプロデューサーでもあるワケだよ、自分のプロデュースをするのも自分でやんなきゃいけないんじゃないか?」

 

さらには、ボクがグダグダと〝どうすればいいか?〟という漠然としたことを言い並べてしまっていたことに対しても、こんなことを仰ってくださったのでした。

 

「それを思ってるだけじゃ愚痴になっちゃうんだよ。このままいくとお前は腐っちまうから、まずはプロデューサー目線でそのLIVEを考えてみろよ、演者じゃなくてプロデューサーならどう考えて、どうするか?ってのを考えないと、一生答えなんて出ないと思うぞ」

 

そして、そこでシンタロウさんに言ってくださったお言葉の数々にシビれながら、ボクは酔いなんてフッ飛んでしまい、ワクワクとしながら帰宅することが出来たのでした。

 

追記、、、他にもシンタロウさんに言って頂いたお言葉がボクには本当に心に刺さり、ここに載せさせて頂いてお別れをしたいと思うのでした。

 

「今から一年、お前はライブとかではプロデューサーの目を持ってなんでもやってみろ」

 

「芸人もオレらみたいな仕事も全部、空気を売る仕事なんだよ」

 

「反省なんてしてる暇なんてないだろ?そんなことするより、まずは次どうするかを考えろよ」


このお言葉を無駄にしないように、噛み締めながら、噛み締めながら帰宅したのでした。

 
では。



 
ー 告知 ー

『BOY’S TALK vol.2』
11月13日(木)
開場:19:15 開演:19:30
会場:下北沢オープンイノベーション
出演:トリグミ・じゅんぺい、ザ・プレジデント・しんぺい、シェパード太郎



『近藤商店 vol.38』
11月18日(火)
開場:18:30 開演:19:00
前売:900円
会場:しもきた空間リバティ
ゲスト:ですよ。
出演:アッチャンズ、ジャンふじたに、かんし、ケチャップリン、松下ひもの、真心タッチ、トリグミ、ザ・プレジデント、熊川シュウワ、シェパード太郎
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ご予約はお早めに!
『勝手にありがとう』
11月24日(月)
開場:12:30 開演:13:00
前売:1500円(1ドリンク別)
会場:新宿ネイキッドロフト
出演:アル北郷、ユンボ安藤、居島一平、三平×2
前座:シェパード太郎
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ーコメントお返しー

 
 
「いかつい すっぴん」って気になりますねぇ。(゚ー゚;
それにしても結局そのお方は、シェパードさんのお知り合いだったのでしょうか?
よく似た人ってこの世の中で結構いらっしゃるので、ホントにこういうシチュエーションに出くわす事はあるのですが、万が一違っていた場合、かなり空気が悪い状態になりますよね。
だからと言ってシラン顔してたら、それもマズいかもしれないし・・・うううーーん・・
 
ーお返しー
コメントありがとうございます!
眉毛が無かったから怖かったのかもしれません…汗
たぶん、たぶんというより思い込みたいのは、〝違った〟の方です。笑
めちゃくちゃ空気が悪くなってしまいました~ほんと!笑
本当に震えましたもんね。笑