【2月3日 火曜日】
7時頃、殿が海外に行かれるのでお見送りに。
で、渋谷でマネージャーの藤井さんと待ち合わせをして、成田まで電車でゴトゴト向かいます。
その車中、ずっと気にはなってはいたものの購読をできずにいた「水道橋博士のメルマ旬報」を購読することにし、読みながら旅行気分で成田へと向かいます。
ですが、約37ものコラムがあるというメガ級メルマガということもあり、読んでも読んでも一向に進みません。
なので、とりあえず一回目を通すだけ通し、気になったコラムだけをザッと読むことにします。
そして、その中でも気になったコラムがこの二つ。
『エムカク/明石家さんまヒストリー』
『マッハスピード豪速球ガン太/ハカセードライバー』
この二つのコラムは、ものすごく長文の上その内容が濃厚で面白く、読んでいてスラっスラっと読み進めていけるのです。
特に『エムカク/明石家さんまヒストリー』というコラムは、約20年間もの間、さんまさんが発する言葉を手当たり次第にノートに書き留めていたという著者が、
まさに己のチカラの限りを込めて書いているというような濃厚なモノになっているのですが、読んでいてすごい勉強にもなり楽しめてと、一気にこのコラムにハマってしまいます。
それに、その方がなぜさんまさんのことを書き留めるようになったかという理由もステキで、
1996年3月23日
「言っときましょう。私は、しゃべる商売なんですよ。本を売る商売じゃないんですよ。しゃべって伝えられる間は、できる限りしゃべりたい。本で自分の気持ちを訴えるほど、俺はヤワじゃない」
と、さんまさんが仰っていたのを聞いたその方は、その言葉にいたく感銘し、それからはさんまさんが仰ることを一言一句ノートに書き写すようになった、というのです。
もう、その冒頭の説明文を読んだだけで、
「わー!すごい読みたい!」
とバカみたいに唸らざるを得ず、興味津々、そのコラムに見入ってしまったのでした。
すると、気がつけばあっという間に成田空港まで到着していて、束の間の小旅行はいとも簡単に終わりを告げたのでした。
そして、空港についたボクは殿をお待ちします。
すると、こんな乗り物が。
なんてキュートなんだ、なんて人めもはばからず写真を撮ってしまったのですが、このネーミング、ほんとになんてステキなのでしょうか。
なり太くんにエポちゃん、ネーミング力にもう完敗です。
しかもこのフォルム、なんてステキなんだ、なんて浮かれていたら殿が成田に到着されたという連絡が。
なので、なり太くんとエポちゃんには惜しみながらも別れを告げ、殿をお出迎えします。
そして、出発の時間まではまだ時間があるということなので、レストルーム?的な場所で出発時刻まで待機することに。
すると、殿はそのレストルームへの道すがらにあった本屋へと、ふと立ち寄られます。
そして、
「なんかよ、英語の本ないかな?」
と仰られ、英語本の棚の前で本を探されます。
すると、少しのあいだ吟味された殿は、ある本の前でピタッと立ち止まられたのです。
さらに、殿はそのある本を手に取られ中をパラパラと読まれるのですが、
ボクは、その本の表紙を見て驚いてしまったのです。
「オールカラー!英語で紹介する日本JAPAN」
これは、外国人の為に日本の文化を紹介する本であって、日本人が読む本ではないと思うのです。
と、そんなことを思っているのがバレたのか、殿はその本を置かれ、英語版の週刊誌などが置いてある棚の方へ行かれます。
「そりゃそうだよな」
とボクも一安心し、殿を追いかけ英語版の週刊誌の方へ。
すると、殿は英語版の週刊誌を一冊手に取られ、
「よし、これにするか」
と仰り、レジの方へ。
が、なぜか殿はそのままレジを通り抜け、なんと、さっき見ていたその「オールカラー!英語で紹介する日本JAPAN」という本を、週刊誌の下に隠すように持ち、
「シェパード、わりーけどこれ買っといてくんない」
とその本をボクに手渡されたのです。
まるで、コンビニでエッチな本を買う時のようなカモフラージュ。
しかも、殿はレジに並ばれないということは、ボクのことをわざわざ思ってくださったうえでのカモフラージュなのか。
そんなお優しい殿は、
「じゃあ、頼むな」
と言い残され、お一人でレストルームの方へと歩いて行かれました。
そして、ボクは英語版週刊誌とその「オールカラー!英語で紹介する日本JAPAN」という本をレジで購入し、殿がお待ちするレストルームへ。
そして、殿にその本をお渡しします。
すると、殿は早速その「オールカラー!英語で紹介する日本JAPAN」という本を読み始められ、
「おい、これ見ろよ、スモウを紹介してるぞ」
と、ものすごくニヤニヤとされながら仰るのです。
これは照れ隠しなのか、それとも、ギャグで買ったんだぞ、というアピールなのか。
そんなことを考えていたら、知らぬ間に出発の時間になってしまっていて、殿は出発の準備をし始められます。
嗚呼、気になる、殿はなぜこの本を買われたのだ。
でも、出発時間は刻々と迫っているのです、嗚呼、でも気になる。
すると、そこになんと救世主が現れます。
その本を殿が必死に読んでいらっしゃるのが気になったのか、今回一緒に同行されるスタッフさんが、
「あれ?たけしさん、何買われたんですか?」
とお聞きされたのです。
これは絶好のチャンスではないのか。
いやしかし、もし殿がこの本を少しでも恥ずかしいと思われて買っていたとすれば、これは非常に厳しい質問なのではないか。
と、ボクが勝手な心配をしていると、殿はあけすけとその方に、
「これ笑うだろ?英語で日本の紹介してんだけどさ、これで英語の勉強でもしようと思ってさ」
と仰ったのです。
嗚呼、ボクはなんてバカなんでしょうか。
〝殿が英語の勉強をするはずがない〟
という勝手な決めつけをしていたため気づかなかったのですが、この本を殿が楽しむ為だけに買うわけがないのです。
英語の勉強をしながら、海外の方が日本に対してどのようなイメージを持っているのかというのも学ぼうとされていたなんて、、、
やっぱり、殿は計り知れないほどの勤勉家なのだなー、などとバカ面引っさげ、しみじみと殿をお見送りしたのでした。
そして、殿をお見送りしたあとは石塚さんに車で送って頂き、帰宅したのでした。
そしてこの日の夕方、北郷さんのアサヒ芸能のストック会議に参加させて頂いたのですが、それは次に書いても宜しいでしょうか。
いや、どうか、どうか、そうさせてくださいまし。
悪しからずんば、では。