嫉妬は愛の…16 宝先生 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

16


1週間後。


19時に吹奏楽部の指導が終わって、ちょうど校門を出た辺りで健くんから電話がかかってきた。今シェルターで飲んでるから来い、と。条くんも一緒だと言う。


「いや…今日はちょっと…」


「さようならー」と吹奏楽部の生徒たちが口々に挨拶して通り過ぎていく。俺は微笑んで手を振る。


「いいから来いって。なんか用事あんの?」


特に用事があるわけじゃないけど、マスターと顔を合わせづらかった。


あのホテルで聡美の胸元にカードキーを差し込んでたマスター。それを俺に見られても悪びれもせず、閉まりかけたドアの向こうで聡美を引き寄せ、俺を挑発した。


逃げたんじゃない。あのままエレベーターを降りてたら俺はマスターをどうしてたかわからない。嫉妬を感情のままにぶつけるのは俺の男が許さなかった。


「部活終わったんだろ?」


「それは終わったけど」


「じゃあ来いよ。お前に断わる権利はない」


「あるだろッ普通に!」


と、そこへまた生徒たちが通りがかって、


「宝先生、彼女ですかぁ?」


とからかってきた。


「違うよ。健くん」


「え?件ちゃん先生?」


「そう」


「じゃあやっぱ彼女じゃん!キャハハ!」


「彼女じゃねーだろっ」


「おい!宝!」


「はいはい」


すると生徒たちが笑った。


「はいはいだって。尻に敷かれてる!」


「敷かれてねーわっ。気つけて帰れよみんな」


「はーい。さようならー」


「とにかく来いって。お前には大事なミッションがあんだから」


「何?大事なミッションって」


「それは来ればわかる!」


「ますます行きたくねーなぁ」


が、お兄ちゃん達に絶対来いと言われたら断わるわけにもいかず…。