先生のキラキラした目…あの目を閉じてても、きれいなんだ。よく見ると、やっぱり顔のパーツのバランスがいいんだな。
頬杖ついてる腕は細いけどカチッと締まってて男っぽい。一方で、長い睫毛やセクシーな唇はちょっと女の人みたいに可愛い感じがする。
優しい雰囲気のラフなTシャツと、色気を感じさせる喉仏。
条先生の中に色んなギャップが詰まってる。
私は吸い込まれるように先生に見入った。
すると、突然パチッと先生が目を開けた。
一瞬ここはどこかというような表情を浮かべて、それから腕時計を見た。
「…先生、寝てた…」
「寝てないよ」
「え?いや、絶対寝てたでしょ!」
「タイムリミットだな。30分経った。どうする?」
「どうするって…?」
「問題」
「あ。あの…家で考えて来ます」
「オッケー。じゃ、また明日」
「はい。あ、明日も自習室ですか?」
「明日は講習あるから、その後、教室で」
「はい」
残念。いや、でもその方が勉強できるか。
「じゃあな」
先生は丸椅子を持って立ち上がった。
「あ、ありがとうございました」
丸椅子を自習室の隅に置いて出て行く先生の後ろ姿を見送る。
歩いて行く後ろ姿もカッコいいんだよなぁ…。
はぁ。
私は先生が出してくれた証明問題に視線を落とす。
はぁ。←2回目
条先生のカッコよさなら、いくらでも証明できちゃうんだけどなぁ…。
*さて、みなさま、次は自習室を出て、4階端の音楽室までお越し下さい。エレベーター使用できます。宝先生、居眠りせずにちゃんと個人レッスンしてるかな