光の粒 20 支え合う | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※剛くんばっかり書いてるから、テレビで健ちゃんが「そっちじゃないでしょ!」って引き戻しに来たのかな。←








「条くん…」


「…ん?」


「……」


「なに?」


優しい声。



「千帆さん…元気?体調…どう?」


「ああ…。うん。まあ、元気にしてるよ。今んとこ」


「そう」


「うん」


「よかった」


ほんとに。


「条くん、効いてるんだね?」


「え?」


「条くんってお薬」


ほら。だって、手を握ってくれただけで、すごい効き目だよ?


私が微笑みかけると、条くんは少し目を泳がせて、それから寂しげに笑った。


あれ?


今のは、照れ笑いじゃない。


そしてまた窓の方を向いてしまった。


あまり調子が良くないのかな…千帆さん。



私は繋いだ手を見て、それからギュッと力を入れた。


条くんがハッとして、振り向いた。


ギュッと握って、さっき、条くんがしてくれたみたいに、ポン、ポン、と揺らした。



大丈夫。

大丈夫だよ。条くん。



ふたりして、しっかり繋いだ手を見る。



ハグも、キスも、できないけれど、支え合うことはできるよね?



どうか、ナイーブな条くんが傷つきませんように。

どうか、千帆さんの病気が良くなりますように。

どうか、条くんが幸せでありますように。




握っていた手を、私から離した。




「ハンドパワー、送っといたから」


ふふっと笑って条くんを見る。



「古…っ…」


条くんは、呆れた顔でフッと笑うと、俯いて手のひらを見た。

それからスッと窓の外に視線を移し、肘を窓のところについて、口元に手をやった。


向こうを向いた条くんが、太ももに置いた手をギュッと握りこむ。




条くんが見ている窓の向こうに、光の粒がたくさん輝いていた。









※次回から、リボンシリーズ最終章始まります