光の粒 15 熱量 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?


※本日2話目の更新です。



14 条くんに会いたい からどうぞ。









夜景の綺麗に見える場所を探してウロウロしてたら、健と宝とはぐれてしまった。


まあ、いいや。(と、あっちも思ってるだろう)



今度の休みに、千帆と桃を連れて来よう。早い方がいい。いつ、どうなるかわからないから…。


綺麗な夜景を眺めて、この光の一つ一つがそれぞれ誰かの命だったとしたら…とか考えていたら、ふと、以前見た夢を思い出した。


光の粒でできた千帆の体。それがばらけて消えてって…あとには闇が…。


ゾッとして、思わず夜景に背を向けたとき、風が吹いて髪が顔にかかった。


髪を右手で抑えて後ろに流すと同時に目を上げたら…



俺の目の前に…



桜が立っていた。



「…あ…。桜…?」



別れてからもうすぐ一年が経とうとしていたけど、付き合ってた頃と変わんなくて…

フェミニンなワンピースを着てても、健康的な体つきからは、そんなに色気が感じられなくて、そこが桜らしくて…



でも、脱いだらエッチなんだよな…


なんて、ついそんなこと思い出してしまった。こういうの、条件反射って言うのかな。



一瞬にして、桜との甘い日々がバーっと蘇って、懐かしさに胸が熱くなった。



そんなふうに一気に過去に引き戻されたのは、桜の目に、あの頃と変わらない熱量を感じ取ったからかもしれない。



「…ビックリした…」



って、俺は胸に手を当てる。



「…条くん…なんでこんなとこに…」




「…そっちこそ」



って言ったとき、坂の上から誰かが駆けて来るのが見えた。