カミセンの修学旅行引率 1 空港 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

どうしても、ゲットしたかった。聖ヴィクトリー女子高等学校の修学旅行。

ツアコン歴15年。彼氏いない歴5年。アラフォー独身、門地千春の人生を賭けた渾身のプレゼン。

それが、井ノ原校長および学年のイケメン先生方の心を動かした。


数年来の海外の修学旅行から一変、聖ヴィクトリー女子高等学校は、久しぶりの国内修学旅行を、今日迎える。行き先は北海道!


ここまで…長かった。イケメン先生方と打ち合わせという名の逢瀬を重ね、ついに、
私は…今日から彼らと5日間、寝食を共にするのだ!


万一に備えて、色々持った。
準備万端!公私混同!やる気満々!


空港に一番乗りした宝先生は胸筋の盛り上がりに思わず目が行くような白いTシャツにチャコールグレーのジャケット。


「おはようございまあす」


って声は、屈強な身体に似合わず甘い。修学旅行の主担だから、先生とのやり取りが一番多く、私の携帯に何度先生から電話がかかって来たことか(感涙)。


「おはようございます。先生、これ、本部携帯です」


「俺が持っとけばいいの?条くんじゃなくて」


「はい。先生がお持ち下さい。私の番号、登録してありますので」


「了解」


はあ。早朝からかっこいい。


次に現れたのは学年主任の条先生。

白いシャツのボタンを第二ボタンまで外して、黒いジャケットをなびかせて歩いて来る。パーマの髪といい、日に焼けた肌といい…サッカー選手ですか?絶対、教師には見えない!


「おはよう」


「おはようございます」


ロビーを見渡して、


「ここに6クラス?」


って目で広さをはかる。


「はい」


「1組どっち?」


「こちらから、1、2、3の順で」


「荷物あるから1列だな。真ん中空けて並ばせるか。他のお客さんの迷惑にならないように。通路確保しなきゃ」


「そうですね」


先生はロビーを見渡したあと、髪を耳にかけて振り向き、エスカレーターを見上げる。多分頭の中で、一気に300人近くを動かす動線をイメージしてる。


はあ、かっこいい。


「トイレどこ?」


さすが先生。トイレの位置を把握しておかなきゃね。


「あそこです。点呼の前に行かせますか?それとも」


「ションベン行ってくる」


は?


「荷物見とくよ」


って宝先生。


あ。単に自分が行きたかっただけ?