嘘 13 逃亡 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

上野先生が部屋に入ってから、10分は経った。

橋本さん、ちゃんと上野先生に謝れてるかしら。



上野先生が何か話す声が聞こえる。珍しく、声を荒げてるような…。


それも一瞬で、またしばらく部屋は静かになった。



カチャッ。


あ、出てきた。


「…橋本さん、いる?」


「え⁇」


「トイレに行くって、廊下側のドアから出て行ったんだけど…」


「戻って来ないんですか?こっちにはいませんよ」


「…遅いなぁ」


「あ、あたし、トイレ見て来ます!」


あたしが急いで保健室のドアを開けると…


「わっ⁇」

目の前にいた条先生とぶつかりそうになった。


「うぉうっ!ビビった!」


「あ、先生、すみません!」





橋本さんは、トイレにはいなかった。また保健室に戻ると、上野先生と向き合って立つ条先生の後ろ姿が見えた。


「戻って来ました?」


って言うと、条先生が振り向く。



「いや…」



「トイレにはいませんでした」


条先生が眉をひそめる。


「どこ行った?あいつ…」



上野先生が不安そうに条先生を見ている。


条先生が上野先生を振り向く。



「…なに言ったの?あいつに」