難題 16 あたしを壊して | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

奥さんみたいに…って先生の言葉が胸に刺さった。

あたしが先生の奥さんになりたいって言ったみたいで恥ずかしかった。

こんな体で、なにもしてあげられないのに、厚かましいにもほどがある…。

消えてしまいたい。

ジャケットをハンガーにかけるだけのことで、先生に何かしてあげた気になるなんて、バカみたいバカみたい…。




先生にしてあげられるもっと別のことをする勇気もないくせに、調べて悩んでみたりして…。



「なに泣いてんだよ…嬉しかったよ?俺は。なにもしてあげられないなんて、言うなよ…」



あたしは…ずるい。

この涙も、言い訳だ。

泣けば、許してくれる。先生は、あたしを責めたりしない。決して。


恥ずかしさも、言い訳だ。

なにもかも…あたしのやってることは…全部…嘘だ…。



「…先生…っ…あたし…っ…」


こんな自分が嫌だ。嫌だ。汚い。ずるい。



あたしは自分の手の甲を噛む。


興奮すると、物を投げたり蹴ったり、衝動的に手足を動かしたくなる。

でも、動かないから、歯がゆくてどうしようもなくて…泣きながら、きつく手を噛む。



「ばかっ!止めろって!」

先生が強い力であたしの手を引っ張って口から離す。


泣きじゃくるあたしを押し倒して、唇を重ねる。


先生…先生…!


あたしを…壊して…。