「先生…っ…///」
って、俺の腕の中でもじもじする。
ん?これってさっきの俺の勝手な妄想と同じ絵なんだけど…。
「先生…ちょっと…離して」
あ。ちがうか。そらそーだ。あんな妄想実現するわけねーだろっ。
俺はゆかりの言葉を無視して、ゆかりを抱き締めたまま逡巡する。
やっぱまだ早かったか…。
でも、今日はふたりきりだし、夜だし…チャンスなんだけどな。
強行するか、それとも…待つか。
「…先生…いいこと…」
「え?」
俺は思わず腕を緩める。
ゆかりが手で俺の胸を弱々しく押して、離れる。
首を傾げて、俺を見上げる。
「約束だから…」
「…約束?」
ゆかりが俺から目をそらす。少しためらってから小さな声で…
「いいことしたげる」
って言って頬を染める。
ま、ま、マジでっ⁇
「あの、起こしてくれる?先生」
俺はゆかりを抱き起こして、壁にもたれかけさせる。
ベッドの上で、ゆかりと向かい合わせに座る。
な、なんだろう…いいことって。
さっきの不埒な妄想を掻き消すために空中で手をバッバッて動かしたくなる。いや、バカみたいだからしないけどさ、そんなこと。
ゆかりが乱れた髪をぎこちなくとかして、口を少し開けて、唇の端についた髪を手で払う。
やべっ…///
超色っぽいし…なんだよその仕草。
準備?まさか…アレの準備なのかよっ…。
いやいやいや…そんなはずは…。
「先生、ちょっと…脱いで?」
俺は言葉を失う。
「あ!違う…間違えた!」
だ、だよな?そうだよな。
俺はホッと胸を撫で下ろす。
「脱いで」とかそんな大胆な発言、なにかの言い間違いに決まってる。
「あ、あたしが脱がせてあげるんだった」
……。
俺…耳おかしくなったみたい…。