って条がピーナツの殻を剥きながら言う。
「なんの『だから』?どっからつながってんの?」
条がきれいに薄皮まで剥いたピーナツを俺の口に放り込む。
「さっきの耳攻め」
「ブッ!」
ピーナツが飛び出て条のグラスに入る。
「あっ!てめぇっ…」
マスターが笑いながらグラスを下げる。
「耳攻めって…み…///」
「さっきのな、健がたっちゃったやつな」
「たってねーよっ!」
「立って向こう行ったじゃねーかよっ」
「紛らわしんだよっ!てか、わかっててひっかけんなよっ」
「まあ、聞けって」
条が、グラスを持って肘をつき、俺の方に体を傾ける。ボソッと、
「…突っ込むだけが…セックスじゃねーだろ?」
って片眉を上げて、ニヤリとする。
俺は絶句する。
条が自分の頭を人差し指でコツコツ叩く。
「頭柔らかくしろよ。得意だろ?相手が喜びそうなこと、思いつくの。お前、自分のこととなると、頭かてーのな。」
条が首を傾げて、俺の耳たぶを触る。
おれは、パッと耳たぶを手で押さえてガードする。
「まあ…突っ込みたい気持ちはわかるけど」
「突っ込みたいとか言ってねーし!」
「耳とか…首とか…上半身なら気持ちよくさせてやれんだろ?いかせるのは難しいけど」
「そ…それって…でも…」
俺は自分がゆかりの耳や首筋に舌を這わせる図を想像する。
そんなことして、ゆかりが、可愛い声をあげちゃったりしたら…?
「…んなことして…お互いにますます我慢できなくなったらどーすんだよっ…それこそ拷問じゃない?」
「まあ…そうなったら…」
ニヤける条と目が合う。
「少なくとも、お前はいかせてもらえるだろ…だって新城、手とく…」
言い終わらないうちに俺は条の頭をはたく。
「俺だけいってもしょーがねーのっ!」
俺は水割りを一気にあおって顔をしかめる。
条に人差し指を立てて、言う。
「しかもだよ?だいいち、処女の、車椅子の、元教え子に、そんなことさせられるわけねーだろっばかっ!それは違う!」
「そうかな…」
「そうなのっ!」
「そうかなぁ…」
「そうなんだって!マスター、おかわり!」
「俺なら、健を気持ちよくさせてあげたいと思うけどなぁ…」
「……」
俺は条をジロリと睨む。
「ん?」
条が水割りに口をつけながら、目だけこっちに向ける。
「条のばかっ」
「なにが」
「も…いい」
俺はカウンターに突っ伏す。
ブンブンって頭を振って、一瞬浮かんだいけない妄想を掻き消そうとする。
「別にいいんじゃね?普通だろ?新城にフェラしてもらいたいって思ったって」
「言うなっ!黙れっ‼︎どエロ教師!」
「あははっ…AVのタイトルみてー」
「条~~っ‼︎」
俺は笑ってる条の首を絞めてゆさゆさ揺さぶった。