カミセンの体育祭 9 予行練習 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「…今から各団、お昼休みに入って下さい。午後の予行練習は、予定通り、1時15分から始めます。」

校内放送が流れる。


バタン!

条件部屋のドアが開いて、条が汗を拭きながら入ってくる。

「すっずしーーっ‼︎」

見ると、ソファに座って件が扇風機を抱え込んでいる。

「健、お前サボッてんじゃねーよ!」

「サボッてないよ!見ろよこの汗!」

ピンクのTシャツが汗で濡れている。

「は?なに?じゃ、エアコンつけっぱなしだったの?」

「タイマータイマー!」

「は?」

「ちゃんと休憩時間のちょい前くらいにタイマー合わせといたの」

「お!さすがじゃん!」

条は、件の隣に座って扇風機をガキガキいわせて自分の方に向ける。

「ちょっと!」

「なんだよ」

「独り占めすんなよ!」

「は?お前だって独り占めしてたじゃねーかよ」

「一人だったんだよっ!」

「うっせーよ」

「は?回せよちゃんと!」

「やだね」

「誰がエアコンつけといてやったんだよっ」

「頼んでねーし」

「出てけよ!じゃあ」

「うっせ!」

「は⁈」


ノックと同時にドアが開いて、宝が鼻歌を歌いながら入ってくる。


「な~に暑いのにくっついてんの?ふたり」

扇風機の前でギュウギュウ押し合うふたりを見て笑う。


「涼しいー!この部屋」


「俺俺。俺がタイマーつけといてやったの」


「おお、さすがだねー。ありがとう健くん」


件は嬉しそうに笑って、得意げに条を見る。条は、そっぽを向く。


宝は冷蔵庫を開けて、ペットボトルの水をゴクゴク飲む。

「プハーッ…健くん見たよ~」


「なんだよ」


「超可愛かった。健くんのダンス。桃クロ」


「ほんっとお前のせいだからな。俺が桃クロを生徒と踊るはめになったの。まあ、俺が出るからには、団演技も一位もらっちゃうからね」


結局、この間この部屋で、罰ゲームと、さらにダンスに参加することまで校長に決められてしまったのだ。



件が笑いながら、からかうように言う。


「俺、グリ団見たよ。条んとこのグリ団は、どこ目指してんの?ねぇ?」


って条の顔を覗き込む。


「知るか」



宝「え?グリ団なに踊んの?」



条と件がすっくと立ち上がり、ふたりでいきなり踊り出す。


「「♪ヨーデルヨーデル…」」


宝「妖怪ウォッチ⁉︎」


条「そ。キッレキレの妖怪体操踊ってやる」


宝と件がウケる。


宝「いや~もったいない!条くんならEXILEとかだと超かっこよかったのに」


件「赤団だよ。EXILE」


宝「そうそう。泉本先生踊ってたよ」


条件「はあっ⁈マジで?」


件「タコも踊らされてんだ」


宝が冷蔵庫からコンビニ弁当を出す。


宝「これ、誰の?」


条「あ!俺俺」


宝「あっためるよ?」


条「サンキュ」


宝「みんなあっためますよー」


件「ありがとう」


宝がお弁当をレンジに入れて、コップとお茶のペットボトルをテーブルに置く。


宝「午後はアレだね」

ってソファに座ってお茶を注ぐ。


条「おう。リレーな」


件「今日んとこは軽くいっとくかなー」


って頭の後ろで手を組んで、ソファにもたれる。


条「足つったりしたらシャレになんねーしな」


宝「罰ゲームってさ、泉本先生も入んのかな」


条「え⁈聞いてねーよ!俺たちだけだろ?」


件「やだよっ!タコとチューとか!」


条「言うなよっ!気持ちわりーな」


宝「泉本先生って体育でしょ?専門なんなの?」


条「知らねー」


件「陸上じゃない?陸上部の顧問だし」


条「バスケだろ?バスケも顧問じゃん」


宝「速そうだよねー。今まではどうだったの?」


件「出てないよ。泉本先生、毎年得点係りとかであの時間係り当たってて出られなかったの」


条「教師は俺らしか走ってなかった」


宝「ダークホースじゃん!じゃあ」


件「お前もな」


条「タコも罰ゲームに入んなら、ますます負けられねーな」


件「ほんとそれ!校長俺たちで遊んでるよな」


条「俺らが高校んときからそうだよ。オカマダ~っいつかやってやる!」


宝「燃えるねー」


件「絶対、勝つよ」


三人が睨み合う。


チン!電子レンジが鳴った。


条「飯飯!とりあえず食おうぜっ!」


三人はガツガツとお弁当を食べ始めた。