「さあ、みなさん、お待たせしました!いよいよ最終種目、ヴィクトリーリレーが始まります!今年は各団、アンカーを我が校きってのイケメン先生が走ります!」
青空のもと、アナウンスが響き渡る。
条が手首と足首を回しながら件に聞く。
「ああ。あそこ」
件はアキレス腱をのばしながら、顎で救護テントの下を指す。
「いいとこ見せなきゃな」
「はあ?関係ねーし。ってか、あいつ俺と条のキスが見たいらしい」
「はあっ?ざけんなよ」
「あの車椅子の子が健くんの秘蔵っ子?」
宝が屈伸しながら聞く。
条「膝小僧?」
件「秘蔵っ子!どんな耳してんだよっ」
宝「健くんの膝小僧はここ♡」
件「触んなくていいのっ」
条「健くんの股間はここ♡」
件「触んなっ!」
生徒たちから笑いがおきる。
件「見られてる見られてる!」
宝「え?健くんの股間ここかん?」
件「触んなって!ってかなんだよそのオヤジギャグ」
また笑いがおきる。
件「お前らなー、そうやって俺を動揺させて罰ゲームさせようって作戦だろっ」
条「ばれた?保険保険」
件「は?」
宝「ま、俺は勝つよ?勝つけどー、万一負けたときはさー、タ…じゃなかった泉本先生よりはー、健くんの方がいいじゃん。キスの相手としては」
条「当然だね」
件「は?なに言ってんの?俺勝つから」
「仲いいな」
太い低音でタコがつぶやく。
「わっ!」
宝「泉本先生、罰ゲームの話聞きました?」
タコ「聞いてる」
宝「絶対いやでしょ?」
タコ「俺には関係ない」
件「お!自信たっぷり!」
タコ「たとえビリでバトン渡されても、絶対勝つ!」
4人が睨みあって火花を散らす。
「さあ、いよいよ決戦のときです!各チーム、輪になって気合いを入れています!ときの声をあげています!各団の声援もすさまじいっ!」