トイレットペーパー買い占めは社会不安のバロメーターか | 経済評論家・政策アナリスト 池田健三郎オフィシャルブログ「健々囂々」(けんけんごうごう)Powered by Ameba

トイレットペーパー買い占めは社会不安のバロメーターか

「持続可能な社会づくり」が優先課題として堂々と掲げられるようになった今日、あたかもオイルショックに逆戻りしたようなシーンを目にすると、長期的視点などはどこかに捨て置かれてしまい、「今だけ・金だけ・自分だけ」が露出した現状には沈鬱な気持ちにならざるを得ません。


不要不急の外出は控えたいところなのに、日曜早朝からトイレットペーパーを求めて開店前のスーパーに並ぶ方々。「デマと分かっていても、生活必需品なだけにこうして並んで入手するしかない」とのコメントをきき、お気の毒としか言いようがありません。


こうした現状を目の当たりにすると、つくづく「人間というのは合理的に行動しない動物だ」と実感させられます。


残念なことに令和の時代にあってもオイルショック同様の行動がでてしまう日本において、「人間の合理的行動」を前提とする経済学のモデルはそのまま適用できない、ということは確りと踏まえておく必要があるかも知れません。
 

政策は、(とくに今回のような危機に臨んで)人間心理がどのように働くのかもよく考えて、慎重に打ち出されなければならないと改めて思いました。
 

賛否両論渦巻く、今般の政府による「学校の全国一斉休校要請」が、防疫を含む国民生活全体の厚生を高めるような、有効な打ち手になり得るのか、よく見極めたいと思います。

 

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/022801115/