金融審議会レポート 年金以外に「老後資金2000万円」必要
「冷血政府」などと政府与党を揶揄するだけでは何の問題解決にもなりません。こういうロジックでの政権批判はなかなか賛同の輪が拡がらないように思われます。
むしろ今回、厚労省や財務省ではないにせよ政府(金融庁)が、正直に数字に向き合い、金融審議会のレポートを通じて現状に即した警鐘を鳴らしているのですから、その仕事ぶりはまずもって率直に評価しておけばよいかも知れません。
大切なのは、こうした公表された事実を踏まえて、今日から国民にいかに老後の備えをしてもらうのか、その意識変革や情報面でのサポート体制を国や自治体がどのように構築するかであり、こうした政策に関心が向かうべきではないでしょうか。
無論、政府もこのまま「警鐘を鳴らしただけで何もせず」というのでは、無策と批判されることは必至です。
野党が突っ込みをいれるとすれば、まさにその部分であり、老後に備えた国民の適切な資産形成やその他の先読み予防的行動に対する戦略構築と具体的対応が適切であるかどうかがポイントになるのです。
仮に政府が国民一人一人が自分で考えて行動する「自助」だけを前提として老後に備えよ、と考えるのであれば、どこまでそれを促すことができるのかが重要ですし、それでは流石に不十分という前提に立つのであれば、今度はどのように「共助」の仕組みを作り機能させるのか、そのプランを負担のあり方を含めてきちんと提示しなければなりません。
与野党が本当にこの問題に正直に向き合う気があるのならば、その手順や方法論について、各々確たるビジョンを提示し、国民負担の前提付きで具体的な論戦を交わすべきでしょう。
そのようなこともせず、場当たり的で答えの出ないような一面的な政府批判は、敢えてツボを外しているとしかみえませんし、何の役にも立たないように思われます。
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