本当の「二元代表制」が東京都に根付くのか | 経済評論家・政策アナリスト 池田健三郎オフィシャルブログ「健々囂々」(けんけんごうごう)Powered by Ameba

本当の「二元代表制」が東京都に根付くのか

地方自治はまさに「民主主義の学校」だなとつくづく思います。


昨夜の「都民ファースト」の大勝利から間髪を容れずに地方政党の代表を辞し、首長の仕事に専念する。すなわち「二元代表制の理想形を目指す」姿勢をはっきり提示するのは、なかなか思いつかないが筋の良い作戦だと思います。


大抵の人はこれが何を意味するか直ぐには分からないかもしれませんが、わが国地方自治特有のスタイルである「二元代表制」の意味を有権者に問うには、これくらいの荒業が必要なのかもしれません。


ともに有権者から直接選挙で選ばれる首長と議会議員は、前者が1名なのに対して後者は複数名の合議体で、首長は議会が決めたルールと予算に従って行政執行を行い、議会は首長の行政執行をチェックし、行政活動を規定するための条例制定という強大な権力を行使します。
 

両者が対等の関係の中で、適切にコミュニケーションをとりつつ、互いに全体最適を目指して政治を担っていくことが、地方自治の本来のあり方で、議院内閣制をとる国会のように与党・野党の二元論ばかりで物事を捉えようとしても仕組みが違うので無理なのです。


「小池劇場」にスポットがあたっているうちに、こうした地方自治の仕組みそのものについても、有権者に考えてもらう機会が設けられることは意義のあることだと思います。

 

それにしても、石原都政や内田某の親分政治のように、国際都市東京がこれほどまでに田舎クサイ、後進的な政治を行っていたのをはじめて知らされて愕然とする向きも多かっただけに、今回の選挙を通じ、東京都という自治体が、本当の意味での先進的な政治システムを機能させる場となるのであれば、それは望ましいことだと考えるところです。

 

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017070300442&g=pol