トランプ政権誕生 | 経済評論家・政策アナリスト 池田健三郎オフィシャルブログ「健々囂々」(けんけんごうごう)Powered by Ameba

トランプ政権誕生

日本時間本日(1月21日)未明のトランプ米大統領就任演説は、NHKを録画して今朝観ようと思っていたのですが、結局、そのまま夜更かししてリアルタイムで観てしまいました。

 

さっそく様々なメディアがその内容に言及していますが、全体でいえば「米国第一」(America first)、経済(通商)政策関連でいうと、彼の演説の中でもとりわけ分かりやすかった

「保護主義は(米国の)偉大なる繁栄と力に通ず」(Protection will lead to great prosperity and strength)

というフレーズは、任期中変わらない、彼の精神的かつ政策的支柱になるでしょう。

 

前者の「国益最優先」それ自体を総論として咎めだてする人はいないでしょうが、後者の保護主義への転換についてはいろいろと議論を呼びそうです。

 

いずれにせよ、わが国はじめ各国は、これを前提に新政権に対峙していくことを余儀なくされます。

 

その良し悪しは別として、今のところ方向性は非常に鮮明な政権なので、そうした直球ストレート型の政治スタンスが不変である限り、かえって対策は立てやすいと捉えるべきかもしれませんね。

 

こう考えるとむしろリスクになるのは、ビジネスマン出身の彼が、大統領としても非常に柔軟な思想の持ち主へと変貌し、状況に応じて政策や立ち位置を巧みに変化させることができる、掴みどころのない政治家になってしまうことでしょう。

 

なお、わが国についていえば、安倍政権が推進してきたTPPは、これをもって暗礁に乗り上げましたので、それはそれとしつつも、他のチャンネルでの自由貿易体制の維持拡張を模索する(この点は既に政府は織り込み済みでしょう)ことにならざるを得ません。

 

【参考】 邦訳はこちらをお奨めします

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-38702737