共産党ならば暴言は許されるのか | 経済評論家・政策アナリスト 池田健三郎オフィシャルブログ「健々囂々」(けんけんごうごう)Powered by Ameba

共産党ならば暴言は許されるのか

6月26日に放送されたNHKの参議院選挙特集番組の中で、共産党の藤野政策委員長は今年度の防衛費について、「軍事費は戦後初めて5兆円を超えたが、人を殺すための予算ではなく、人を支えて育てる予算を優先していくべきだ」と発言。


この発言について、藤野氏は同日の夕方、「発言は安全保障法制と一体に海外派兵用の武器や装備が拡大していることを念頭に置いたものだったが、テレビでの発言そのものは、そうした限定をつけずに述べており、不適切であり、取り消します」というコメントを発表した。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160626/k10010572941000.html


この件について、共産党だからという理由で、

 コミュニストとしての資質 > 議員としての資質

という物差しが適用されるのだとすれば、これは何とも合点がいかない。


所属政党がどこかということを横に置けば、一般的に言って、特別職国家公務員(国会議員)が公共放送で「人殺し」呼ばわりすれば当然、議員辞職モノの暴言という理解が相当なのではないだろうか。


「共産党だから仕方がないか」では済まされないように思うがどうだろう。


確かに藤野氏は発言を取り消しはしたが、自衛隊員とその家族に対する謝罪はしていない。防衛予算を「人を殺すための予算」というならば、その多くを占める人件費=自衛隊員の給与は「殺人者への給与」ということになってしまう。これほどの暴言もないと思うのだが、発言さえ取り消せばお咎めなしで構わないとは到底思われない。