菅改造内閣発足 | 経済評論家・政策アナリスト 池田健三郎オフィシャルブログ「健々囂々」(けんけんごうごう)Powered by Ameba

菅改造内閣発足

本日、菅改造内閣が発足します。今朝、出演した「みのもんたの朝ズバッ!」のメインのニュースは勿論この組閣についてでしたが、朝から人事情報が次々と報じられ、お昼時点でほとんどの閣僚人事と民主党主要役員人事が固まって、ニュースではその氏名が報じられていました。


今回の組閣の目玉は、何と言っても「たちあがれ日本」の共同代表である与謝野馨氏が同党を離党した上で、菅内閣の経済財政政策担当大臣に就任することでしょう。与謝野氏はつとに知られた財政再建論者であり、同じく財政再建論者である野田佳彦財務大臣の留任も合わせて決まったことから、菅政権はバラマキ政策の見直しと財政規律の回復、すなわち消費税を含む増税による財政収支バランスの立て直しを優先する政策へと、大きく舵を切ることになります。


私は以前から各所で述べているように、日本の危機的な財政状況を踏まえれば、こうした政策転換はむしろ遅すぎるくらいであり、この新内閣の下で早急に持続可能な国民負担のあり方をしっかりと提示すべきであると考えています。


マスコミはとかく人事の舞台裏を面白おかしく取り扱うことに勢力を注ぎがちですが、かかる国難に際しては、そうした視点ではなく、実質的な将来不安の払拭と、国民負担の最小化が実現するかどうかを、きちんと国民が判断できるような材料を提供するよう心がけるべきでしょう。


最後に気になるのは、郵政改革担当大臣の留任です。民主党は、国民新党との連立政権を維持するため、同党に割り当てていた郵政改革担当大臣ポストを維持することになりましたが、同党が目指す郵政改革の方向性は、いわば「小泉前」に郵政を戻すことであり、これはまさに時計の針を逆進させる愚行ではないかと危惧されます。幸いなことに、この「筋の悪い郵政改革法案」は先の臨時国会で成立しませんでしたが、次の通常国会に再上程されることになりそうで、まかり間違っても安易にこれが成立することのないよう、注意をはらうことが肝要と思われます。