静岡県知事選 | 経済評論家・政策アナリスト 池田健三郎オフィシャルブログ「健々囂々」(けんけんごうごう)Powered by Ameba

静岡県知事選

注目の静岡県知事選挙は、候補者の一本化に失敗し分裂選挙になりながらも、民主党系候補が僅差で自民系候補を破って当選。これは麻生政権への大きなダメージになると同時に、現在選挙運動期間中である東京都議選にも少なからず影響することでしょう。


先日の静岡新聞の取材でも述べたことですが、今回の静岡県知事選は国政の代理選的な要素が強まりました。このため、次の4年間の静岡県をどのような政策に重点を置いて動かしていくのかといった、本当の意味での政策論争が希薄になり、各候補者のマニフェストにも抽象的な表現が目立ち、争点が見えにくかったことは残念なことでした。県庁のお役人は、知事の初登庁と同時に、彼のマニフェストにしたがって、どのように各セクションが仕事をしていくのか、具体的な庁内論議に直ちに入れるだけの材料を提供してもらったとは言い難いのではないでしょうか。


一方、現在戦いが続いている東京都議選についても、完全に「衆院選の前哨戦」となってしまっています。次の4年間の都政についての、明確な党派(会派)ごとのビジョンや政策がまったく後ろに下がってしまっていることにはいささか危惧を感じざるを得ない状況です。こうした中で、何かと都民から批判の強い、都議会議員の行き過ぎた厚遇などについて、小政党や無所属候補者はともかくとして、第一党を競う主要政党が「皆で渡れば怖くない」とばかりに自己改革も提示することなしに、各候補者が「日本を変える」とか「官僚に物申す」といった国政選挙ばりの常套句を多用した選挙戦を繰り広げる様子を、疑問に思っている有権者も多いようですね。


「地方自治は民主主義の学校」とよく言われますが、いくら国政選挙が近いからといって、一番身近な地域の課題に対する真摯な政策アプローチを疎かにしては、住民自身のよりよい生活の実現は難しくなってしまいます。やはり地方選挙は国政選挙とは一線を画して、それ単独でしっかりと政策論争を行うことが重要ではないかと改めて感じているところです。


それにしても、衆院選の各党マニフェスト、まだ出てきませんね。