※画像は盆栽まつりの様子

憲さんが落語好きなのは当随筆を読んでいる読者はご存知のことと思う。

まずはマクラに落語の話である。

浅草寿に本法寺というお寺があるが、ここには「はなし塚」という大きな石碑が塚の上に建っている。

憲さん以前行ったことがある。

これは1941年(昭和16年)頃、戦争の激化に伴い不適切とみなされ上演禁止となった約53の演目が 「禁演落語」として、その台本を葬り塚を築き、建立されたものである。

参考
【はなし塚】
https://honpouji.jimdofree.com/%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97%E5%A1%9A/

その噺の中には、明烏、居残り佐平次、品川心中、子別れ、付き馬、蛙茶番など名作から爆笑噺などが含まれており、それらを封印してしまったら何の噺を高座にかければいいのかわかったものではないものばかりである。

【禁演落語】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%81%E6%BC%94%E8%90%BD%E8%AA%9E

このように、戦争とは庶民のささやかな娯楽すらも弾圧し、奪い去ってしまう不条理なものであり、そういう意味でも絶対に起こしてはならないものなのである。

浅草のはなし塚はそのことを雄弁に物語ってくれている貴重な史跡と言うことが出来よう。

戦時中、これと同じような運命を辿った庶民の娯楽があった。

それが憲さんも大好きな⋯

盆栽である!

埼玉県の花見の名所、大宮公園の北側に「盆栽の聖地」と称されている大宮盆栽村がある。

実際、この地域は「盆栽町」という地名がついているので筋金入りである。

ここは、1923年(大正12年)の関東大震災で被災した東京・小石川周辺の盆栽業者がこの地に移住して盆栽業者と盆栽愛好家が集まる村を目指して作られた経緯がある。

現在は大宮近郊の閑静な住宅街となり、今も数件の盆栽園が残っている。

しかし、この地域も戦時中に悲しい歴史を辿っている。

太平洋戦争中は、盆栽、庭木、苗木などを対象に物品税がかかり、盆栽はぜいたく品とされ、時局に適さない趣味と非難され軍や周辺町村から嫌われて圧力がかかった。

更に、 盆栽に必要な針金が手に入らず、手入れをしていた職人たちが戦争に徴兵されると、大宮盆栽村では盆栽園を廃業あるいは転業するものが続出した。 

その中にあっても、業を続けた盆栽園は協力し合い、盆栽村の存続に努めたのだ。

このように、盆栽もまた落語と同じように「贅沢だ!」「時局に相応しくない」などと難癖をつけられて軍国主義者の目の敵とされ弾圧されていったのである。

なので、憲さんから言わせれば、盆栽とは「平和の象徴」でもあると言えるのである!

参考
【大宮盆栽村】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AE%AE%E7%9B%86%E6%A0%BD%E6%9D%91

そもそも盆栽とは何か?

盆栽とは自然の風景を、植木鉢の中に切り取って作り出すところにある。

そこが「植木」とは決定的に違う。

その植物の、野外で見られる大木の姿を、鉢の上に縮小して再現することを目指すものであり、人為的、作為的に植物を変形し、植木鉢=「盆」の中で自然の盆景を作るのである。

そのために剪定を施したり、自然の景観に似せるために枝を針金で固定したり、時に屈曲させたり(針金掛け)、あるいは根を石の上に這わせたり土を掴むように露出させたりと、様々な技巧を競うのも楽しみの一つとされる。

このような、盆や鉢の中に草木や石で景色を表現する“盆景は”中国の唐の時代から行われていて、日本には奈良時代に伝わったそうである。

そして、江戸時代後期には盆栽人口が飛躍的に増加し庶民の趣味となり、植木業の分業化が進むとともに植木市でも種々の盆栽が取引されるようになった。

このように「盆栽」は中国を発祥としながらも日本で独自の進化を遂げ、いまや世界中で「BONSAI」を愛好する人が増えるなど、日本の誇るべき芸術文化として発展しているのである。

昨日、その「盆栽の聖地」大宮盆栽村で開催された第43回大盆栽まつりに行ってきた。

憲さんが行くのは、今年で3回目である。

参考
第43回大盆栽まつり
https://visitsaitamacity.jp/events/12

祭りマニアで盆栽好きの憲さんでは行かない理由があるまい。

この手の祭りでは憲さん一番好きなまつりではないだろうか?

余談だが、憲さんの好きな企画もの祭りベスト3は⋯、

・日野新選組まつり
・寅さんサミット

そしてこの、

・大宮盆栽まつり

である。

今回は連れ合いのプクと目的を決めて向かうことにした。

プクは花に絞りの入ったボケ(木瓜)の盆栽を購入すること。憲さんは去年買って枯らしてしまった皐月の盆栽用の苗を買うことである。

参考
木瓜(ボケ):関東絞り(カントウシボリ)  ー 都立水元公園
http://blog.livedoor.jp/yoshihari/archives/10621176.html

ゴールデンウィーク前にプクが体調を崩してしまい、さらには天気が怪しくて行けるかどうか心配だったが、どうにか連休後半5月4日、盆栽まつりの中日に行くことなった!

葛西から電車を乗り継いで、東武アーバンラインの大宮公園駅に10時に降り立つ。

駅前では盆栽村の最寄り駅に相応しい立派な巨木が出迎えてくれた。

朝飯を抜いてきたプクの朝ごはんと昼飲みのつまみを購入するために駅前のコンビニで買い物を済ませ、いざ盆栽村へ向かう。

去年は車で来たのだが、1年前だから地理的には不安はない。

向かうとすぐに盆栽村のマスコット「ぼんサイくん」が出迎えてくれた。

これ
【ぼんサイくん】
https://www.yurugp.jp/yvs/vote/detail/00003333

身体が動物のサイで、鼻に盆栽をあしらっている。

まったくもってヒネリも何にもないゆるキャラである。

一緒に記念写真を撮る❤

ところでこの盆栽まつり、メインの企画は盆栽村にある二つの通りに面して全国各地の盆栽業者がこれでもか!と大小の盆栽を並べ販売するのである。

その光景は盆栽マニアにはたまらないものであり、事実憲さんはその通りに足を踏み入れた途端、脳内からボンサイアドレナリンが出まくる次第であった!

顔がにやけてしまうのである!

(´艸`)くすくす

メインの会場の通りに入る。だいたい去年と同じ業者が同じ場所に陣取っている様子であるが、なんか去年よりも出店数が減っている感じがした。

憲さんのまつり攻略作戦は以下である。

まずメイン会場の通りを商品は購入せず、ひやかしで一通り歩いて物色する。

そして、会場中心のさいたま市立漫画会館近くにある空き地にレジャーシートを敷いて昼食休憩。

参考
【さいたま市立漫画会館】
https://www.city.saitama.lg.jp/004/005/002/003/001/

そして疲れたプクをデポして(置いて)、憲さん一人で今度はじっくり品定めしながら購入していくのである!

憲さんの計画、完璧!

まずは1巡目。

出店数が少なくなっても、やはり日本最大の盆栽即売会である、さらにかき氷屋台のおばあさんと協力して作業をしているのがとても気に入ったそうである。

このように、プクはお祭りに来ても露天商の生業(なりわい)を観察するのが大変好きなようである。

憲さんはどうでもいいけど!

ということで一旦そこをスルー。
もう一本の通りもく栽の商は品を確認する。

今年もまーまーの出品数である。

憲さんいくつかの購入の目星もつけた。

しかーし、プクはお目当ての木瓜(ボケ)の鉢がないとヘソを曲げてしまったではないか!

あーあ、やっぱりね!

というこで、メインの会場でかき氷を食べさせて少しクールダウンしてなだめすかす。

そして、お目当ての空き地に連れ戻して、レジャーシートを敷いて休憩&昼食を摂ることにする。

そこで、プク喜び勇んでお目当ての露天商にまっしぐらに進んで、焼きそば大盛り2つ、フランクフルト1本、キュウリの漬物1本、かき氷1杯を購入してくる。

かなりの出費である。

プクに言わせると、目当てのボケがない腹いせで、ファンである露天商に大金を落として来たというのである。

何だがや~!

憲さん、お家から持ってきたタカラハイボールを焼きそば肴に飲み干すと、レジャーシートに根を下ろしてしまったプクを置いて一人で2巡目の購入モードにいざ突撃する!

いくど~!

まず1件目は去年も購入したミニ盆栽のハゼである。

いくらか?

300円!

安い!

破格である!

ハゼは紅葉が綺麗で去年購入した小さなハゼもきちんと紅葉し、今は新緑が出てきてくれている!

今年ももう一つ購入することにした。

店の店主に去年も購入したことを伝えると喜んでくれて、話が弾んだ。

そこでわかったのだが、この大宮盆栽まつりの出店料、なんと3日間で4万円も取られるそうである!

Σ( ̄□ ̄;)ハッ!

4万?
 
それは暴利では?

一体誰の懐にはいるのだろうか?

それも去年は2万円だっのだが一気に倍である!

はは~、たがら去年より出店数が減ってるのね!

それを聞いて、憲さん「値切る」ことができなくなってしまった!

300円の盆栽を何鉢売れば出店料が確保できるのか?

そんな中でも格安のミニ盆栽を売ってくれる店の心意気に憲さん心打たれた!

「ありがとう!」

礼を言って憲さんその店を後にした。

憲さんのもう一つの目的は鉢である。

盆栽用の鉢。

皆さんもホームセンターなどに行ってもらえばわかると思うが、あまり盆栽用の鉢は売っていない。

売っていたとしても結構高額である。

なので、憲さん盆栽用の鉢はこの盆栽まつりでまとめて買うことにする。

ミニ盆栽用の中古鉢、一つ100円を2つ!

豆盆栽用の鉢は4つで500円!

安い!

有難い限りだ。

置肥用の固形肥料も一袋200円で購入する。

後は苗だけである。

まずは皐月。

去年は皐月専門の店がたっていて安く購入できたが、今年はあるにはあるが結構高い。

珍山などは苗で3500円もする!

参考
【珍山】
https://satsukibonsai-4s.jp/lib/chinzan/

結局、無銘の皐月の苗を500円で購入した。

ある屋台の店では「皐月はちゃんとした名前のあるものを買わないと駄目だよ」とも言われたが、結局枯らしてしまう可能性もあるのだ。

そもそも盆栽など「枯らしてなんぼ」である。

名人といわれる人も修行時代はいくつもの盆栽を枯らして名人といわれるようになったはずである。

ということで、これで良しとする。

次は欅の苗である。

実は憲さん欅(けやき)マニア❤

あの欅の葉っぱに萌え~❤してしまう!

特に春に新しい葉芽が出てくるときなどはうっとりしてしまうのだ!

ということで、憲さんのお家にも普通の欅と斑入りの欅が2鉢あるのだがなかなかほうき仕立てになってくれない。

ということで今年は小さい苗を購入して本格的にほうき仕立てに誂えようと決意したのだ。

参考
盆栽実生から育てて作る欅の盆栽の箒仕立
https://hobbytimes.jp/article/20170414a.html

小さい苗一つ300円!

これまた安かった!

ここで一旦、レジャーシートにデポしたプクのところに戻る。

腹いっぱい食べたのか横になって爆睡中!

起こすと、やはりボケがなかったことでブーブー言っている。

そこで愛妻家の憲さん、プクのために一肌脱ぐことにした。

どうしてもボケを探して買ってこようと決めた。

しかし、予算は2000円以内である。

結構難しいミッションである。

ざっとみて、屋台に一つボケがあったが当然この時期では花が咲いてない。それも4千円である。

ボツ!

そこで、憲さん藁をも掴む思いで藤樹園に行って聞いてみた。

藤樹園とは憲さんの愛読する東京新聞生活面に「カンタの盆栽日記」を連載する大宮盆栽協同組合の廣田敢太さんが当主の老舗の盆栽園である。

参考
【藤樹園】
https://bonsaitojuen.com/

東京新聞記事
千駄木と大宮、盆栽で見る歴史的つながり 魅力に迫る 文京で5日まで企画展
https://www.tokyo-np.co.jp/article/446364

憲さん入口でカンタさんを探したが、見当たらないので店の前にいた男性のスタッフに聞いたところ、藤樹園ではボケの手頃な盆栽は扱っていないようである。

憲さん、先日NHKの趣味の園芸でボケ特集をしていて、ボケは盆栽仕立てもたくさんあると聞いていたのでちょっと意外であった。

参考
【3月30日放送テーマ】ボケ 進化し続ける伝統花木
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_tn_detail&target_xml_topic_id=engei_003788

で、その人清香園なら有るかもと教えてくれた。

そこで清香園へと向かう。

清香園は盆栽のハウツー本などを多数執筆している「盆栽の伝道師」こと女性盆栽師山田香織さんが当主のこれまた老舗盆栽園である。

参考
【清香園】
https://www.seikouen.cc/

やはり店の前でチラシを配っていた若い女性スタッフに声をかけるとボケがあるとのこと。

連れて行ってもらうとあったが、値段が2500円!

予算オーバーである。

残念!

そこで憲さんやはり屋台を中心に目を皿にして探す。

するとあった!

「ボケ」の字が盆栽の札に書いてある!

それも葉はボケの葉だ!

値段は1500円!

あった!

と喜び勇んだがよく見てみると「シドメ (野ボケ)」と書いてある。

“シドメ”?

何じゃそりゃ?憲さん聞いたことがない。

ということで店のオヤジに聞いてみる。

するとシドメとは園芸種で改良を重ねたボケではなく野生種のボケでボケの原種に近いそうである。

憲さんネットでも調べてみる。

こちら
クサボケ(シドメ、シドミ、地梨)
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_mo_diary_detail&target_c_diary_id=1062475

ここにはこう書いてある。

以下引用。

明るい山野に自生するクサボケ、ボケは中国から平安時代に入ったとされますが、こちらは完全な国産種です。
そのボケに似て背が低いのでクサボケですが、草本植物ではなく、落葉低木です。
こちらは別名が多くてシドメ、シドミさらにゴルフボールくらいの黄色の実がなるので地梨(ジナシ)とも言われています。
こちらは固いので生食には向かず果実酒に利用します。

以上、引用終わり。

店のオヤジは以前は電車道(線路の敷地)によく自生していてそれを採集していたようである。

この個体、当然ながら花は終わっているが赤い花をつけるそうだ。

さすがに絞りではないがこれでプクに勘弁してもらう。

レジャーシートに寝転ぶプクのところに持っていくと大変喜んでくれた。

意味はわからぬが「ノノちゃん」と名前までつけていた。

よくわからないおばちゃんである。

(´艸`)くすくす

ということで、盆栽関係の購入はこのくらいにしておくのだが、最後に憲さんこの盆栽まつり会場で衝撃的な人に出会った!

名刺までもらったので紹介する。

この人である!
発酵ジンジャーエールCraft Ginger Beer製造
株式会社しょうがのむし

代表取締役 周東孝一

さんである。

この人、盆栽まつり会場で自社製品の発酵ジンジャエールを売っていたが、憲さんアルコールの入っていないジンジャエールにはあまり興味はない。

では、何が憲さんを猛烈に惹きつけたか?

それはそれを売っている社長の周東氏の頭髪が⋯

丁髷(ちょんまげ)なのである!

それも相撲取りですら総髪にちょんまげなのだが、この人はきちんと月代を剃っているのだ!

参考
【丁髷】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%81%E9%AB%B7

はじめて見た!

衝撃的である!

こちら
代表取締役ちょんまげの理由
https://assets.st-note.com/production/uploads/images/97025895/rectangle_large_type_2_aca53897e4526c9b541377e6fcfab05b.png?width=2000&height=2000&fit=bounds&quality=85

憲さん話しかけずにはいられなかった。

すると、彼は世界にこの月代までしたちょんまげの人は30人くらいいることを教えてくれた!

ビックリ!

すごいよ。

そして、憲さんもそうしたいが出来ないことを頭に巻いたタオルをとって見せてあげた❤

(´Д`)=*ハァ~

羨ましい!

憲さんもちょんまげ結いたかった❤

憲さん江戸時代に生まれたかった!

でも、ハゲじゃちょんまげ結えないか!

憲さん周東さんと記念撮影して握手してもらってお礼に商品を1本600円で購入した。

こちら
発酵ジンジャーエールCraft Ginger Beer
https://ginger-bug.com/

そして、ない後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。

皆さん!

是非このお店応援してあげてください!

・・・・・・・・・

ということで、大宮盆栽まつり、いい!

すごい楽しいおまつり!

だからこそもっと出店料を値下げして多くの人が参加できるようにして!

お願い!

そしたら何年か後に憲さんも出店したい!

お店の人、盆栽園の人、露天商、そしてちょんまげ社長。

いろんな人に出会っていろんな話をして刺激を受けた憲さん、来年もまた来ようとプクと話し合いながら、帰りは京浜東北線の人ととなっていました。

終わり。

どーよっ!

どーなのよっ?