※画像は漫画『蔵六の奇病』の表紙
 
※この随筆は2006年5月23日に執筆したものに加筆修正しました。
 
先日図書館で『実存ホラー漫画家日野日出志を読む』という本を借りて読んだ。
 
参考
【『実存ホラー漫画家 日野日出志を読む―母胎回帰と腐れの美学』】
 
購入はこちらから
 
著者は清水正。日大芸術学部文芸学科の先生らしい。専門は漫画論。著書に「つげ義春を読む」があり、つげつながりで借りて読んでみた。
 
参考
【清水正 (文芸評論家)】
 
日野日出志はご存知、日本ホラー漫画界の巨匠。そのおどろおどろしく、グロテスクな絵は泣く子も黙らせ、多くのファンがいるらしい。
 
参考
【日野日出志】
 
私はホラー漫画というカテゴリー自体、私の興味の範疇外なので、その名前と表紙の絵ぐらいをちらりと見て「なんて、グロテスクな漫画だ」と思うくらいで、ほとんど知らなかった。
 
批評を読んだ。著者は日野の5作品を批評しているが、圧巻はやはり最初の「『蔵六の奇病』を読み解く」だ。その量も、内容も気合が入っている。「蔵六の奇病」は日野本人も、評者も日野の最高傑作、代表作と言わしめる作品である。
 
参考
【『蔵六の奇病』】
 
購入はこちらから
Amazon
 
楽天市場(電子書籍)
 
そのキーワードは・・・、母胎回帰、おっぱい願望、〈ペニス〉の隠喩、父的存在との戦い、母子合一、くされの美学である。
 
作品の内容は日野の漫画、そして批評の中身は本著に譲るが、漫画批評とはすごいものである。そのように言われると、本当にその漫画がそのように書かれているように思えてしまう。  
 
学者とはすごいものである。
 
著者はあとがきに、「『蔵六の奇病』を泣きながら批評した」と書いていたが、私もこの批評を読み本編を読んだことが無いのに、目頭が熱くなった。
 
怖くて泣くのではなく、感動して泣くのである。
 
今日、早速自宅近くの古本屋に行って、日野の漫画を探したが、当然にも無かった。今度本編を是非読んでみようと思った。
 
どーよっ!
 
どーなのよっ?
 
※その後憲さんは『蔵六の奇病』のハードカバー装幀版を購入して愛蔵している。
 
( ̄ー ̄)ムフフ
 
※購入情報!
日野日出志作『蔵六の奇病』
 
購入はこちらから
Amazon
 
楽天市場(電子書籍)
 
清水正著『実存ホラー漫画家 日野日出志を読む―母胎回帰と腐れの美学』
 
購入はこちらから