※画像はライブドア事件(証券取引法違反)の初公判で入廷する前社長の堀江貴文被告(東京地裁前・2006年09月04日) 
 
※この随筆は2007年3月22日に執筆したものに加筆・修正しました。
 
今日、東京地裁でライブドアナンバー2宮内被告に証券取引法違反の罪で1年8ヶ月の実刑判決が下った。
先日は元社長ホリエモンこと堀江社長に2年6ヶ月の実刑が下った。
 
いわゆる「ライブドア事件」である。
 
参考
【ライブドア事件】
 
憲さんは堀江前社長が逮捕されるとき、とてもきな臭い匂いを嗅ぎ取った。
 
周りの人は「金の亡者が、ざまを見ろ!」と溜飲をおろしていたが、何か変だと思った。
 
私はもちろん堀江的存在はまさに拝金主義の権化であり、唾棄すべき存在であると認識しているが、しかし、国家権力のこと彼に対する対応は異常であり、どす黒い国家権力の強権性、凶暴性を如実に表しているのではないかと感じてしまう。
 
それらの憲さんの気持ちを代弁する論評が我が愛する東京新聞に散見されるので引用して紹介する。
 
3月21日付け朝刊「本音のコラム」の精神科医斎藤学氏のコラム
 
「大衆の嫉妬心に悪のりした東京地検の捜査法に胡散臭さを感じていた(中略)裁判所が地検の描いたストーリーを丸のみしているのを見ると、この国の司法システムに恐怖を感じる。」
 
「連結云々という点では日興コーディアルも同じような不正を働き明らかに意図的だ。カネボウなどは無い利益を計上する無茶をしているのに、これらについては逮捕者が出ていない。目立ちすぎて生意気だからこらしめてやれというような恣意を検察に許していいのか」
 
参考
【日興コーディアルグループ】
特に「不祥事」の項
 
3月22日付け朝刊読者投稿「発言」欄
 
「新参に厳しい世の中では?」東京都40歳会社員
 
「一方で日銀・福井総裁はいまだにその地位にあります。法人としての日興コーディアルグループも上場が維持されています。西武も虚偽記載問題があったのに健在です。」
 
「なんで堀江被告にだけ厳しいのでしょうかね。成り上がりだから?(意外とこれかもしれない)」
 
参考
【福井俊彦】
 
3月22日付「発言」欄付属の「応答室」欄
 
「堀江被告『実刑』に疑問の声多数」
「読者からは『当然』の声より『納得できない』との意見が上回りました」
「その理由として他の企業や銀行、証券会社の粉飾決算の関係者処分に比べると『実刑は重すぎる』との不公平感を指摘」
「70代男性は『彼がたたかれるのは権力者側に嫌われたため(無罪が確定した)鹿児島の選挙違反事件と同じ冤罪構図で、あらかじめ罪にするために捕まえたのでは』と批判的でした」
「また、判決で被害者と強調された一般投資家について、板橋区の50代男性は『普通の投資家ならLD(ライブドア)の胡散臭さは分かるはず。堀江被告が正しいとは思わないが、投資家も保護されすぎている』」
「実刑判決を支持する年配女性は『LDを持ち上げた竹中平蔵前総務相を信用して株を買った人も多かったはず。竹中さんも(頭を)丸めてほしい』」
 
憲さんの見立てはこうである。
 
資本家内部において、オールドブルジョアジーや権力中枢がIT企業の新興ブルジョアジーであるホリエモンを、最初は景気回復の起爆剤、自民党構造改革内閣の人気取りとして、衆院選に自民党が推薦してまで、持ち上げていた。そこまではよかったのだが、彼は意識してかしないでか?、自覚してか無自覚でか?その枠組みをも超える発想と行動をとったのである。それが、フジテレビ買収を視野に入れたニッポン放送買収劇だ。
このブルジョアジー内部の秩序破壊行為が、オールドブルジョアジーの逆鱗に触れたのだろう。
 
すなわち「目立ちすぎて生意気だからこらしめてやれ」であり、まさに「彼がたたかれるのは権力者側に嫌われたため」なのである。
 
それが証拠にもっと問題性のある「日銀・福井総裁はいまだにその地位にあります。法人としての日興コーディアルグループも上場が維持されています。西武も虚偽記載問題があったのに健在」なのだから。
 
権力内、資本家内部の内ゲバとして我々労働者がタカを括っていてよいのであろうか?
 
これは明らかに「鹿児島の選挙違反事件と同じ冤罪構図で、あらかじめ罪にするために捕まえた」ものであり、このような「恣意を検察に許していい」訳がないのである。これを許せば過去の歴史と同じように、多くの労働者市民にその権力の牙はホリエモンにかけられた以上の大きさで襲ってくるのである。
 
参考
【志布志事件】
 
まさに「この国の司法システムに恐怖を感じる」といって過言ではないだろう。
 
彼のような拝金主義者は、ブルジョアジー内部の内ゲバ、国家権力の強権にっよって潰されるのではなく、私たち労働者がその力によって淘汰していくしかないのではないだろうか?
 
無邪気な「大衆の嫉妬心」から発するにせよ、権力の横暴に快哉を挙げていては結局は労働者は墓穴を掘るのではないかと心配してしまうのは杞憂なのだろうか?
 
皆さんはどう考えますか?
 
是非率直な意見を聴かせてください。
 
ところで蛇足ですが、東京新聞はやっぱり心落ち着く新聞です。読者も私の考えに似ています。少し驚きました。他の新聞ではこの問題についての論調はどうなのでしょうか?
 
ちなみに東京新聞の社説では「ライブドア判決 断罪された虚業の実態」として「判決通りなら被告らの刑事責任は重い。IT企業一般や市場の信頼を傷つけた社会的責任もある。」としながらも「そのことを確認したうえでも、なおすっきりした答えの出ないのが、この事件摘発をどう見るかである。」として問題を投げかけている。そして「企業の不正事件が後を絶たず、新たに浮かんだ日興コーディアルグループ、三洋電機の粉飾はライブドアよりはるかに巨額だ。しかも、総額四百億円余も利益を水増しした日興は株式の上場廃止にならなかった。公正な経済活動を実現するには不正への公平な対応が必要である。」と読者ほど歯切れは良くないが、検察当局の不公平さを問題視している。
 
読売は社説で「実刑当然である」とあり、他紙もほとんどがその論調です。他の不正を働く資本の問題を指摘したのは東京新聞だけではないでしょうか?
 
東京新聞、我が愛すべき新聞です。
 
どーよっ!
 
どーなのよっ?