藍アキラさんが出演した舞台。
『幕末異聞・明治悪党奇譚』を観に!
公演会場は、下北沢の劇・小劇場。
この作品の原案は、歌舞伎でお馴染みの『三人吉三』。
歌舞伎の『三人吉三』を通しで上演すると、2時間では収まらないと思いますので、原案として三人吉三の物語を再構成したり、色々変えたりしながら2時間の作品として上演した『明治悪党奇譚』
三人の『吉三郎』(和尚・お坊・お嬢)が出会い、義兄弟の契りを交わし一緒に悪党として活動していく。
という最初の部分は、歌舞伎の三人吉三と同じ。
夜鷹のう『おとせ』は、歌舞伎の場合は、最初にお嬢にお金を奪われて殺され川に捨てられるだけの端役の場合もありますが。
この作品では、和尚の妹として、他の夜鷹達と一緒に仕事している。しかも、お嬢に金を取られ殺され掛けた『十三郎』と恋仲になるという。
ヒロイン的な役割になってます。
ただ、作品のテーマは歌舞伎の三人吉三と同じく
『因果応報』を扱ってますので、決してハッピーエンドで終わらない訳で。
義兄弟となる和尚・お坊・お嬢の三人も、本人達の知らぬ所で色々因縁があったり。
冒頭でお嬢が十三郎から奪った店の金百両。
この十三郎が働いている店には行方不明となった息子がいて。
和尚は父親から勘当されているが、実は和尚の父親は、今でこそ夜鷹の取り纏めの仕事してるけど、元は悪党で、盗みや強奪、殺しもお構いなく。
で、ある侍を殺して大事そうに持ってた短刀を持ち帰る。その際に犬も殺してますが、その呪いなのか、生まれた双子の顔には血のような痣が・・・
お坊吉三は、元は武家出身だが父親が殺されてしまい家宝が奪われてお家断絶状態で悪党に成り下がって。
お嬢吉三は自分の出生はよく知らず、色々渡り歩いた結果、女になりすまし悪事を働くように。
『因果応報』がテーマだけに、『親の因果が子に巡る』を突き進んでます。
実は和尚の父親が殺して短刀を奪った侍は、お坊吉三の父親。
つまり、お坊吉三にとって和尚吉三は『親の仇の息子』
和尚からすれば自分の父親が義兄弟のお坊吉三の父親を殺した張本人。
和尚の妹、おとせが恋仲になった十三郎は、実は生き別れた双子。おとせと十三郎は血縁者ゆえ、結ばれる事は叶わない。
そして、十三郎が働く店の行方不明の息子こそ、お嬢吉三であった。
親が過去に犯した事が、その子供に巡ってくる、まさに『親の因果が子に巡る』
結果的には、和尚の父親は、真相を知ったお坊に殺され、死ぬ前に父親は和尚に『けっしてお坊を恨むな』と言い残し死亡。
おとせと十三郎は、どうせ結ばれぬ仲ならと心中。
和尚・お坊・お嬢は、警察に追われながら戦うが最終的には三人揃って死亡・・・
決してハッピーエンドではない物語なんですよね。
で、藍アキラさんは、この夜鷹の中の『おふじ』という役で出演でした(初演に引き続き)
『枯れ木妖怪・ぬらりハゲ』と呼ばれたりもして、全体的に思い作品の中では、お笑い担当的な役なのですが、終盤、おとせを除く夜鷹の中では唯一殺されてしまう事に・・・
『因果応報』を描いた少し悲しい結末の作品でしたが、役者の演技は皆さん素晴らしく2時間の上演時間があっという間でした。
終演後にアキラさんと会い、話をして一緒に写真撮りました。
久し振りの下北沢は、南口が閉鎖されて劇場に行くのが遠回りになっていたり、駅の周りが綺麗になってたり、昔と比べ色々変わってました。
アキラさん、今回もお疲れ様でした!