3月歌い続けた理髪師も最後の公演をしました。
金曜日の記者会見では今年夏のツアーの宣伝もしたようです。新聞評も非常によく書かれ、TELE2000(地方放送)での放映も決まっています。

今夜からロッシーニの『スターバト・マーテル』の稽古が本格的に始まり、このバスソロは2018年ぶりですが、今回はアカペラの4重唱Quando Corpusはソリストが歌い、これはオリジナルに沿ったものですから、楽しみです。
また今月はじめから音楽院主催の現代音楽の音楽稽古が開始されており、こちらはかなり厳しい勉強を強いられています。
先月のオーディションでふたつの企画に通過し、今年9月にTrovatoreのフェッランドを2公演、
年末にシャルパンティエのテ・デウムを1公演だけ歌うでしょう。どちらも初役ではないが、
Trovatoreはアリアが難しく、夏はROF(ロッシーニ音楽祭)をやりながらも発声調整が必要です、、、。
それからまだ決まりではないが、ファウストの劫罰のメフィストフェレス役が11月にあります。オルガンとピアノの伴奏で、演劇学校とのコラボでやりますが、これはめちゃくちゃ楽しみです。フランスにいるときからやってみたかった役です。こちらは11月です。


また、
わたしは12月から3月までレッスン以上にディスカッションに力を入れ、20人以上の面談をしました。素晴らしい経験でした!
何人かは有名になるだろうと思わせる歌唱でした!
たぶんですが、4月下旬には新規の方々を受け入れる目処が立つと思います。


おなかのなかにジラーレですが、
Cの文字は鼠径部からはじまり、ぐるりとまわりみぞおちに終わると言いました。
そしてみぞおちに落ちる前はいったん胸を空気は経由すると言いました(あるいは胸に一旦空気を当て、ためる)。
このように、わたしはSostegnoのCの書き終わりから逆にたどっていますが、
今日述べるのは、Cの文字の頂点、つまり声帯の下です。
声帯の下で何をせねばならないのか?
俗に言う、喉を開ける、
さらに専門的に言えば声帯下に空気をため圧力を高めることです。

わたしのクライアントの方々、生徒さんたちが知るように、
この逃げ場のない声門下圧は危険です。
誰もが知るように、喉を開けることは、危険が多い。
だから、
もしこの記事を読む人がアマチュア、セミプロ、受験生ならば、あなた達がしなければならないのは声門下圧を高めることではなく、
圧力をできるかぎり、声帯から下へ深く遠ざけ、歌っている間もそれを保つことです。
やり方は横隔膜を下げたままでいること。
あなたが音大卒、音楽院学生、プロのオペラ歌手であれば記事を読み勧めてください。


プロの方々が考えることはふたつあります。
ひとつはいかに、声帯の下に空気圧を上昇させるか、と、高くなった声門下圧から声帯を守ることです。
これらはどちらも長い深いトピックですから、
クライアント&生徒のみなさんはゆっくりじっくりレッスン外の時間でわたしと語りましょう。

ひとつめ、
声門下に空気圧を送る最もわかりやすいやり方は空気のボールに対して横隔膜下の筋肉群で前方下部から、下から、後ろから圧迫を加えることです。注意したいのはおなかが顕著に引っ込むことそのものが大事なのではなく、内部圧が高くなることです(密閉があるかないかで判断できます)。

ふたつめ、
高くなった声門下圧の取り扱いには注意が必要です。【オペラ歌手の目的は喉を開けることではありません】あくまで喉の空気圧を上げることは、重要な経過点でありますが、ゴールではない。

高くなった声門下圧を高めるため、素晴らしい同僚たちの多くが、日夜ジムで上半身を鍛えています。
わたしはジムでかっこいいBodyを作ることはむしろオペラ歌手には大事だと確信し、ですからダンベルやバーベルのボディーメイク、プランク、腕たては是非やってください、ただしオフシーズンに!
歌のために上半身をボディービルで鍛えるのは、いちおう生徒にはNGといいます。

もし首周りや鎖骨周りを筋肉強化すれば、声門をより強固に確実に閉じられて高い声門下圧を長い時間保てます。
アクートでの高圧を保つとき肩と胸を上げ、堂々たる姿勢で歌うのはかっこいいです。
しかし、クライアントの方々には、この声門下圧の圧は胸を経由し、みぞおちに落としてほしい。
【声門の下にあるのは空気タンクであり、それは一旦の貯蔵場に過ぎません】
サプライチェーンで言うなら、倉庫であり、いったん集荷し、再度、荷を積んで目的地に運ぶ場所です。
このサプライチェーンが、Cの文字で表現されるなら、声門下圧=ストックはCの文字の頂点になります。
鼠径部から始まり、後方筋を経過し、声門下に至る空気の道筋は次回以降に説明できるでしょう。
どのみち、クライアントのみなさまに言いたいのは、声門下圧を高めるために、声帯周りの筋肉サポートを強化するのは推奨しません。

【どうしても声門下圧を声帯で受け止めるリミットを高めたい方には、披裂軟骨を駆使して声帯の厚みを作ることを推奨します。
それは脱力による声帯の厚みでゴム製の柔らかくも強力なプロテクトです】


さいごにメロッキ派の歌手としてわたしが深めて使っていたやり方を紹介します。
おなかを回す際、フレーズを始めるときに、同時に鼠径部から息を使い始めます。
フレーズが進むごとにジラーレは背中側をぐるりと回り、フレーズの盛り上がりをつくり、それは胸からみぞおちへといたります。
しかし、メロッキ派に準拠したやり方は、
このC文字の最後の4分の1だけを歌います。違う言い方にするなら、最初の4分の3は息を吸って描きます。
つまり、このやり方では息は下から吸います。
ナポリサンカルロ劇場でも歌ったわたしの同門のテノールが、このやり方こそ正解だ、なぜなら息を吸う時点でelevatissima pressione(高圧)を作れるからだ、と述べました。
このやり方はドイツ系オペラではより有効です、なぜなら頭韻のドイツ語のオペラでは、ワーグナーなど、アタックで最も強い響きが求められるため。
バイオリンで例えると、
Cすべてを歌うのがロングボウなら、
息を吸って高めた声門下圧から歌うのがショートボウ。
ただし潜在的な危険はこうです、ショートボウはしばしば息の流れが喉で始まりの喉で止まってしまいます。
上記の記述にたちかえりますが、
喉から圧力を開始してもそれはさらにみぞおちへと空気を送る必要があります、そのカーブ、ジラーレこそ、カバーの本質です。

では次回をお楽しみに!