突然ですが、僕の実名は藤川健と言います。
現在、筆名として使用している浅野ケンという名は、2000年から2003年にかけて活動していたユニットのギタリストとして最初のシングルをリリースする時に付いた芸名です。
ユニット結成前の1997年から数年間、レコードメーカーやプロダクションで裏方として制作や宣伝の仕事をしていた時期があり、ユニットでのデビュー時期と微妙に被っていたこともあって、表に出るにあたって芸名を付けた方が良いだろうというのが主な理由でした。
ファーストネームだけのKENとする案もありましたが、アーティスト関係にこの名前が多いことと、全く無関係な芸名が付くことにも抵抗感があり、浅野ケンを名乗ることになりました。
実は浅野ケンという名は僕が小学校入学前までの実名なんです(厳密に言えば浅野健ですが)。
父方の姓が浅野で母方の姓が藤川でした。
家庭の事情により、僕が小学校に入学するタイミングで母方の祖父母と父が養子縁組をして、一家揃って浅野から藤川に変わりました。
そんなワケで、僕にとって浅野ケンは馴染みのあるもう一つの名前だったので、芸名を付けるにあたって希望しました。
ユニットでの活動、その後数年ブランクがあってバンドでの活動と、アーティスト側としてやっている時は何の違和感もなかったのですが、表から退いて40歳を過ぎたあたりからでしょうか…
今でも浅野ケンを名乗る意味って何だろう??
と、思うようになりました。
そもそも積極的に芸名を付けたかったワケではないし、人生を折り返してこれから先は実名でやって行きたい、作曲家として実名で作品を残して行きたいという欲求が強くなり、来年は浅野ケンとして20年、年齢も45歳になるちょうど節目の年なので、そこで筆名を廃止しようと考えていました。
その布石として、少し前からインタビュー記事のプロフィールなどでも可能な限り実名も表記してもらうようにしていました。
でも、ごく最近、考え直しています。
去る9月8日に父が他界したことは考え直す大きなキッカケになりました。
父は口数の多い人ではありませんでしたので、浅野から藤川に変わった時にどういう思いだったか聞いたことがありませんでした。
父が亡くなる1週間前に、病室で二人きりになった時に思い切って聞いてみたところ、「別に何とも思わなかったな〜」と。
それが本心なのか、余計な気を遣わせまいとして言ったことなのかは判りませんが、さすがに全く何も思わなかったということは無いと思うんです。
そう思ったら「筆名を廃止しようと考えている」とは言えませんでした。
もしそう言ったとしても、きっと父は「お前の好きでいいじゃねーか」と笑って言ったと思うのですが、浅野という姓には間も無く一生を終えようとしている父の存在が残るような気がして、簡単に無くしてはいけないような気になったのです。
芸名として浅野ケンを名乗ることになった時に、父に相談したわけでもありませんし、単純に全く無関係な芸名は嫌だという軽い気持ちだったのに、たぶん父は「どっちでもいいよ」と言っただろうと思うのに、父を亡くして勝手にそこに意味を感じ始めているというね。
悩む。。。
人気ブログランキングへ