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その罪は・・。



5歳の娘、ひかり。


「わたし」は、ひかりと二人きりで暮らしている。



シングルマザー。42才。




貧しい暮らしの中でも、わたしとひかりは慎ましくも幸せを感じていた。


少なくともわたしは幸せを感じようとしていた。ひかりは、そんなわたしを気遣うような..幼い子どもらしからぬ言動も..。





ひかりには...わたしに黙っている秘密がある。


ほんの些細なことなのかもしれないが、実はその秘密が、この「事件」の...おぞましさ、恐怖、憤怒、そして哀しみの根底にあるなんて、


読み手にすら想像すら出来ない。





拉致監禁




プロローグは、そんな冷たい地に、理由もわからず横たわる「わたし」から、始まる。




なぜ、こんなところに?



あの男は一体?



薄れゆく記憶の中で、


わたしとひかりの貧しい中でも温かい生活の数々が幕を開ける。




ご近所トラブル


パート仲間からの嫌がらせ


予期せぬ出会い



そこには、誰しもが意識せずとも日々感じる、



『日常』



が横たわる。




そんな温かな日常が、ある「事件」...事故を境に一変する。




閉ざされた空間



記憶を呼び起こそうとしても、断片すら思い浮かばす...。



「お前の罪は・・」



投げかけられた言葉に..言葉を失う。




そして、最も耳にしたくない言葉が男の口から発せられる。



それは、母として、この世で最も聞きたくない言葉。




そんなはずはない!


そんなことはない!


ひかりが・・・そんな。




読む手が、、、震える。





最終章。



ひかりの記憶へと物語は、転生する。



男とひかりの場面。



明かされる秘密。







そして、ラスト1ページ。



全てはこの瞬間のために存在した。



心が震える瞬間であった。