★★★☆☆




スティング。


古い映画だが、

初めて見たときの衝撃は未だに脳裏に焼き付いて..。



そんなスリリングな「ゲーム」...敢えてゲームと呼ぶけれど、


一世一代の仕掛け...フェイク。




事の始まりは・・。




「東京芸大にどうしても入らなくちゃいけないんだ」



美術の才能は、美術講師も折り紙付き。



しかし、


昌史は、致命的ともいえるほど、



学力が無かった。




そこで白羽の矢を立てられたのが...



探偵の俺。



二度とやらないと誓ったはずだが、


誰から聞かされたのか、昌史の父親が突然押しかけてきた。



「息子をどうにかして欲しい」



遂には俺も折れ..。





そのカンニングは、絶対にバレるはずもなかった。


協力を仰いだのは、亡き親友の忘れ形見の娘、


加奈。




現役東大生の加奈は完璧に仕事をこなしてくれた。



事は順調に進んでいた。



ところが・・。







幾つもの仕掛けが張り巡らされている。



冒頭から、それは既に始まっていた。




カンニング・・それは物語のほんの序章に過ぎない。




俺たちが仕掛ける相手は、


何もかも見通す、言わば、




化け物




そんな化け物相手に唯一勝てる方法があるとするならば、それは・・。




後半は、


ギャンブル...ドロウポーカーに因る、


息詰まる心理戦が繰り広げられる。




映像とはまた一味違う、文字による駆け引きは、目で追いながらも、コクリと、溢れてくる。




勝負の行方は。




俺たちの仕掛けた罠は果たして通用するのか...


否、100%負けるはずのない仕掛けなのだ..


・・の、はずだった。




終章。



全てがひっくり返る。



この場面は、是非画面越しに見てみたいほど。





ただ、


その瞬間、


スティングのあの名場面が脳裏を過るのだから、



物語の持つ力もまだまだ捨てたものではない。




もう一度、


見返してみようか。



それは、もちろん・・。