★★★★★



大長編。


六百頁に及ぶミステリーは、


ラストに謎が解き明かされるまで、


心音の高鳴りは収まらず。



四半世紀にわたるホラー・ミステリー。

・・敢えてホラーと使ったけれど、霊的なものではない。





始まりは一九八二年八月。


折からの台風接近で、朝からどんよりとした雲行き。


山あいの、のどかな村。



そこで繰り広げられた惨劇。




弟切草



名まえだけは聞いたことがあるかもしれない。


知らない人は一度手にしてみるとイイかも。



そんな弟切草を想起させる、


村人全員が皆殺しにされる事件が起こる。



否、正確には、


中学生三人を残してだが・・。




殺人鬼がまだいるかもしれない



そんな恐怖に駆られて、三人は村から離れようとする。




そんな時、男の子がある事を思い出す。


それがさらなる悪夢の始まりとも知らずに・・。




旧校舎へ行ってみよう。



その何気ない一言が、


その後の人生を狂わせる。




村人全員を惨殺した殺人鬼とは・・。






事件から9年後。



大人へと成長した彼ら。



そんな時、また似たような事件が都会の町中で起こる。



一家全員が、


鎌で殺される。



殺人鬼が再び現れたのか!?



9年の時を経て何故・・。




あの時の中学生三人それぞれにスポットを当てながら、


事件は少しづつその真相を明らかにしてゆく。





そして、


真犯人が明らかになった時、



まさか


まさか


まさか



の事実にただただ驚愕する。





読み始めは、


さすがの私も


あまりの分厚さにしばし躊躇いもあったけれど、




読み進めるうちに、


まだまだ先があることに驚きと興味が混ざり合い、


終盤は一気に。



延べ六日間を費やしたけれど、


読後の満足感は半端なく。




これぞ、ミステリーの真髄、


と感じられる...



圧巻。