★★★☆☆
ピンと来る方もいらっしゃるかも。
表紙絵のインパクト。
タイトルのインパクト。
明らかに、小○方○子さんを意識した物語であることに、最初の数ページに目を触れた瞬間から認識した。
当時、山中伸弥さんがiPS細胞でノーベル賞を受賞し、日本中が歓喜に沸いたその直後、
一人のうら若き女性の発表は、
医学会のみならず、それまで日の当たらないでいた、
基礎研究分野に、
久しぶりに明るい光で包み込まれた。
『STAP細胞はあります』
センセーショナルなその言葉は、
研究の本来の成果をマスコミは見向きもせずに、
批判を増長させる役割を果たし、日本国内の意識の低さを世界中に露呈することに。
そんな背景を知った上で本書を手にすると、
すんなり内容が落ちてくるのかもしれない。
「メタル・シンデレラ」
未知のフェロモンを発出し、免疫機能を高め、
誰もが一度は叶えたいと夢見る、
「モテたい」
という欲求を実現してくれる、
通称、『モテ薬』
夢の新薬。
印象的な言葉だけれど、本来は、免疫機能を増加させ、抗体機能を飛躍的に改善させる、
加えて、性的フェロモンを増幅させ、細胞に刺激を与える。
複数の雌のラットのゲージに、メタル・シンデレラを投与した雄を入れたところ...
奪い合うかのように雌たちが争いを起こす、そんな現象が見られた。
この画期的な発現は、「モテ薬」という名で、センセーショナルに発表された。
そして、、
添付された写真の誤り...
論文引用元の不掲載..
相次ぐ間違いに、論文の捏造にまで疑いの目が向けられ、一転、疑惑の的となることに。
極めつけは、「再現性」が確保出来ないこと。
発見したまでは良いものの、同じ現象を再現することが出来ない。
再現出来さえすれば、事態は一気に変わるというのに。。
ますます疑惑が強まる中で、責任者である教授の突然の訃報。
自殺なのかそれとも・・。
終盤、
物語は、一気にミステリー色を深めてゆく。
美貌の特任教授、水沢鞠香。
男に関心のないかのように振る舞う彼女は、純然たる天使なのか、それとも・・。
いよいよ、小保○晴○さんに投影してしまう。
あるのか、ないのか。
最終章..エピローグ。
全ての真実が明らかにされた時、
読者は驚愕する。