★★★☆☆
『横溝正史ミステリー大賞優秀賞』受賞作品。
ネット自警団。
正義の名の下に、
悪人を「晒す」。
法が裁けないなら、
罪に見合わない罰であるならば、
社会的に抹殺する、
それが、ネット自警団。
14才の少年が、
社会を震撼させる事件を起こす。
幼い女の子を廃墟に誘い込み、
縛り上げた挙げ句、
首を絞めて殺す。
その後、両目をくり抜き、家族へ送り付ける。
逮捕された少年は、法に守られ、医療少年院に。。
時を経て、
誰もがそんな事件を忘れていた頃、
闇サイトに、ある映像が売りに出される。
そのビデオとは、
女児を殺して目玉をくり抜くシーンが映された動画であった。
一体誰が、何の目的で・・・。
捜査するのは、警視庁監察官。
その映像は、警察内部で厳重に管理されていたはずだった。
ならば、もしかして・・、まさか・・。
捜査を進める内に、
あの時の少年が、既に医療少年院を出所していたことが明らかに。
少年が、映像を出したのか?
謎多き展開だけれど、
一つ一つ謎が解き明かされてゆく。
ただ、どんでん返しを狙っていたのかもしれないが、
大方は予想通り。
どこかで読んだことがあるようなプロットだけれど、
似て非なるもの
と思いながら読み進めてゆく。
ラストは謎が一つだけ残されてしまったのは、賛否両論あるのかも。
敢えて謎のままにしたことは明らかだけれど、
余韻を楽しむのには、いささかモヤモヤ感がいつまでも消えず。
個人的には、スッキリさせてほしかった。。。