★★★★☆



手紙...東野圭吾

告白...湊かなえ
(敬称略)

形式は似ているけれど、作家さんそれぞれに個性溢れる作りは圧巻。



本作

高級住宅街で、

一家4人が無残に惨殺される事件が発生。


そして、

殺された夫と妻それぞれの過去に遡りながら、

あるルポライターが事件の背景を追ってゆく。



インタビュー形式で語られてゆく、

彼らの行動記録...

次第に明らかにされてゆく、愚行録。



愚行なのはいったい誰なのか。。



話が進んでいくほどに、果たしてこの物語の着地点はどこに向かうだろう...


そんな心配は、最後の最後に突然終わりを迎える。


あまりの唐突な「暴露」に一瞬言葉を失う。


手紙...告白...とも異なる、貫井ワールドがそこに確かにあった。


「愚行録」


まさに愚行


他の動物では決して考えられない、

人間だけが持つ、

愚行は、

愚かさを超えて、衝撃だけがあとに残った。



途中インタビュー形式の連鎖に挫折しかけそうになるけれど、


最後まで読み進めることの出来る者だけが味わえる衝撃を

しっかり受け止めることが出来ました。