★★★☆☆
副題~完全寛解の謎~
寛解・・・がんの症状が軽減した状態。完全寛解は、がんが完全に消失し、正常な値を示す。
第15回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品。
数年前、2時間のTVドラマを観た、そんな記憶が片隅にありつつもストーリーについては曖昧...そんな中で偶然手にした作品。
難解な専門用語にはやや苦しめられても、流れの中で何となく意味を理解することは出来る。
ある日、末期の粟状肺癌 に冒された1人の女性が、日本がんセンターを訪れた。
主治医の夏目は、余命半年を宣告。
障害を抱える遺される娘のために、生命保険金の給付金を受ける。
その直後、
がんに冒された病巣がきれいに消失した...
完全寛解
僅か数%の確率で、抗がん剤が良く効き、寛解する可能性もないわけではないが、極めて稀なケース。
そして、立て続けに完全寛解した患者が・・。
何故、完全寛解したのか?
救済なのか?
悪魔の所業か?
謎を暴くべく奔走する医師...保険調査員たち...
そこには思いもしない結末が。。。
医療ミステリーとしては、『チームバチスタ』が余りに有名だけれど、本作もストーリー展開としては面白い。
本筋とはややズレたプロットが若干の間延び感を出してしまったところは好き嫌いの問題かも。
個人的には、もう少しコンパクトに出来たのかもと思いつつ、
謎が明かされた後のストーリーにも、もう少し手を加えてほしかった。
もちろん、大賞作品なので、読者の勝手な言い分だけれど。。。