小池真理子さん作品。★★★★★


今から31年前に上梓された作品。
男女の機微を描かせたら彼女の右に出る方はいないのでは、そう思わせるほどスリリングでミステリアスなミステリー作品。現代にあっても決して色褪せることなく、むしろ煌めいているかのように感じさせるのは、流石小池真理子ここにあり、と存在感の大きさを感じさせる。

カーニバル中に愛しい男性が突然の心臓発作に襲われる。女性は無我夢中で車を走らせるが、バイクに跨がる不良グループ三人組に囲まれて、目の前の病院に辿り着けず。
「あと5分早ければ・・」と。

それから13年後・・物語はいよいよ幕を開ける。ミステリー小説でありながら古き良き青春小説かのような趣。

タネは思いがけず中盤早々には明らかになっていく。それでも魅力が持続していくのは作者のたぐいまれな力量に因るものか。薄々気づいていながら先の展開が早く読みたくて手が止まらなくなる。また手にしたくなる作家さん。


週末にはいよいよワンマンライブ。

花房真優「三弦」CD発売。
大阪まで足を運ぶのはなかなか簡単ではないけれど、今回は久しぶりのワンマン。初めて訪れるライブハウス(MUSEBOX)に堪らえられず。

まだ若干二十三歳のシンガーソングライター。数多の歌い手さんがいて、上手いなぁと思えるシンガーはたくさんいるけれど、これほど心が、魂が震える歌声に出逢えたのはまさに奇跡。昨年10月に初めて歌声を耳にしてから未だにその魅力が色褪せないのは、どこかミステリーに通じるところもあるのだろうか。

あと四日。
ミステリーもライブも楽しみは尽きない。