うつ病は心の風邪、と言われるようになって、世間でもメジャーな病気になったかのように見えるけれど、実際は違うと思います。

うつ病という病名が広く知られるようになっただけで、病気への理解はぜんぜん進んでません。

むしろ、偏見が強まった気さえします。

職場でもメンタル対応がとられるようになりましたが、やっぱり表面的で、メンタル疾患の人に寄り添った対応には遠いものと感じます。

それでも、休職という猶予期間をもらえるだけありがたいとは思います。

働かないのに(実際には病気で働かない)給料の一部や手当金をもらっている=悪・甘えてる・サボってる

そう思われても仕方がないというのが、現状だと思います。

働けるのなら働きたい
仕事をできずに周囲の人に迷惑をかけて申し訳ない

そう思ってはいても、身体がいうことをきいてくれず、日常生活もままならない状態です。

職場へ行き、フルタイムで働き、人間関係に悩み、ストレスを感じ、疲れ、帰宅してからは家事におわれ、子供たちの話を聞く…今までやってきたことができる自信が全くありません。

その日の体調によっては、朝も起きられず、食事の支度もできなかったり、洗濯も帰宅した夫に頼んだりしてきる状態です。

高校生の娘は、体調が悪いのにどうして仕事を辞めないのかと思っています。
そんなに辛いのなら辞めればいいのにと。

娘にとっては、私がうちにいて「おかえり」と出迎え、学校のこと、部活のこと、進路のことなどの話を聞いてくれ、夕ごはんも手作りのものが増える状態の方が嬉しいらしく。

私の葛藤はまるで理解できない様子。

月々の給料やボーナスがなくなることへの不安。
夫が単身赴任になったときの生活への不安。
住宅ローンや教育費、老後資金の不安。
少しでも可能性があるのなら、私が仕事を続けた方がいいのでは…という思いをなかなか捨てられない事情を高校生の娘にわかれというのは、無理なことなのでしょうか。

お金のことで我慢をさせることなく育ったことが、逆に経済観念を育てられなかったのかもしれません。

スマホを持つようになり、自分で色々なことを調べられるようになっても、母親である私の病気について調べようとは全くしません。

わからないから教えて、と言われます。

早くいなくなりたいと言うと、なぜそんなことを言うのか、そんなことは言わないでほしい、そう言うことでどんな反応をしてほしいのか、と言われます。

私には苦痛です。
思ったことを言ってるだけで、反応を期待しているわけではありません。
本当にはただそう願っているだけ。

私にとっていなくなることは楽になること。

そういう病気なのだということ。

1から10まで説明することは、とても気力がいります。

睡眠薬を飲まないとねむりにつけないことも、わかってはもらえないようです。

一番、睡眠薬を飲んでいることに罪悪感をもっているのは私自身だということ。
どうにか飲まずに眠れないかと、色々と試してはもがいていること。
薬を飲まないと、何日も眠れない日が続き、寒気と冷や汗、明け方の短くて浅い睡眠で見る悪夢の恐怖、気が狂いそうな長い夜の時間を過ごさなければならないこと。
飲まずに眠れない日が続いたからといって、数日たてば眠れるような簡単なものではないということ。

経験しなければわからないことなので、仕方がないのですが、家族の理解を得られないことは悲しくてつらいです。

長女と接することに疲労を感じるのは、そのせいもあるのかもしれません。

うつ病を、不眠症を、知ってほしい理解してほしいというのは私のわがままなのでしょうか。

理解してほしいのなら、すべてを教えなければならないのでしょうか。

けれど。
そうして、伝えても、理解してもらえるとは限らない。
さらに傷つくことを言われるかもしれない。

そのことを十分知っているので、長女に「お母さんに教えてほしい」と言われても、できずにいます。

子供の言葉は胸に刺さります。
長女は、夫に似て、言葉が足りず、言葉の使い方が雑です。
相手にどういう風に受け取られるかを考えずに、キツイ言葉もポンポン投げてきます。
そして、相手が傷ついたり、嫌な思いをしたりして、我慢できずに伝えて初めて、自分の言ったことが与えた影響を知り、「そんなつもりじゃなかった」「よかれと思って言ってた」とボウゼントシタ顔で言うのです。

でも、その時にはもう遅く、相手は嫌な気持ちになり、傷つき、距離をおきたいと思ってしまいます。

そんな長女にどう言えば、この病気を抱えている私を、理解してもらえるのか。

無理だと思ってしまうのです。

根気よく話せばわかってもらえるかもしれない。
でも、そこまでする気力がない。

それが正直な気持ちです。

血がつながっていても、別の人間だから、理解しあえなくても仕方がない。

知りたいと言ってくれる長女に答えられない私は親として失格かもしれません…